「インサイドセールスやめとけ」の真実|失敗する組織の5つの共通点
「インサイドセールスやめとけ」と検索している方の多くは、実際にインサイドセールスとして働いていて辛さを感じている方か、転職や就職を検討していて不安を抱えている方ではないでしょうか。
結論からお伝えすると、「やめとけ」と言われる原因のほとんどは、インサイドセールスという職種そのものではなく、組織設計の失敗にあります。
本記事では、なぜ「インサイドセールスやめとけ」という声が生まれるのか、その理由を科学的に分析し、失敗する組織に共通する5つの特徴を解説します。そして、どうすれば「やめとけ」を「やってよかった」に変えられるのか、具体的な改善策とキャリアパスまでお伝えします。
インサイドセールスの立ち上げを検討している企業担当者の方、現在の環境に悩みを抱えている営業職の方、そしてこの職種への転職を考えている方にとって、組織選びと改善の指針となる内容です。
なぜ「インサイドセールスやめとけ」と言われるのか
検索データから見る「やめとけ」の実態
「インサイドセールス やめとけ」というキーワードの月間検索ボリュームは880回にのぼります。関連して「インサイドセールス 辛い」「インサイドセールス きつい」といったネガティブな検索も一定数存在しています。
この検索傾向から見えてくるのは、インサイドセールスという職種に対する不安や不満を抱えている人が確実に存在するという事実です。しかし、同時に「インサイドセールス 楽しい」「インサイドセールス やりがい」といったポジティブな検索も行われており、同じ職種でありながら評価が真っ二つに分かれていることがわかります。
では、なぜこれほどまでに評価が分かれるのでしょうか。
「やめとけ」の声が生まれる3つの理由
インサイドセールス経験者の口コミや離職理由を分析すると、「やめとけ」という声が生まれる背景には主に3つの理由があることがわかります。
理由①:業務の単調さへの誤解
インサイドセールスの仕事内容を「ひたすら電話をかけ続ける仕事」と捉えている方が少なくありません。確かに架電やメールでの顧客アプローチは業務の一部ですが、本来のインサイドセールスの役割はそれだけではありません。見込み顧客のニーズを把握し、適切なタイミングで適切な提案を行い、商談へとつなげていく戦略的な仕事です。
しかし、組織によっては「1日100件架電」といった行動量だけを求め、本来の役割を矮小化してしまっているケースがあります。
理由②:成果が見えにくい役割への不満
インサイドセールスはマーケティング部門が獲得したリードを育成し、フィールドセールスへ引き継ぐという中間的なポジションを担います。この「つなぎ役」としての立場が、達成感を感じにくくさせている要因の一つです。
自分がアポイントを獲得し、丁寧にヒアリングして引き継いだ商談が成約しても、その成果がフィールドセールスの実績として評価される組織では、インサイドセールス担当者のモチベーション維持が困難になります。
理由③:組織設計の失敗による負の連鎖
最も根深い問題は、インサイドセールス組織の設計そのものが適切に行われていないケースです。KPI設計、他部門との連携、キャリアパス、評価制度など、あらゆる要素が未整備のまま導入を進めた結果、担当者が疲弊し、「やめとけ」という声につながっています。
問題は「インサイドセールス」ではなく「組織」にある
ここで重要な事実をお伝えします。「やめとけ」と言っている人と「やってよかった」と言っている人は、同じ「インサイドセールス」という職種に就いています。違いは何かといえば、所属している組織の設計品質です。
適切に設計された組織では、インサイドセールスは顧客との信頼関係を構築し、営業活動全体の効率を高め、データ分析に基づいた戦略的なアプローチを実践できる、やりがいのある仕事になります。
一方、設計が不十分な組織では、単なるテレアポ部隊として扱われ、板挟みのストレスに苦しみ、成長の機会も見えないまま消耗していきます。
つまり、「インサイドセールスやめとけ」の本質は、「設計が不十分な組織でのインサイドセールスはやめとけ」ということなのです。
失敗する組織の5つの共通点
ここからは、インサイドセールス組織が失敗に陥る5つの共通点を具体的に解説します。自社の状況と照らし合わせながら、改善すべきポイントを見極めてください。
共通点①:KPI設計が「行動量」に偏りすぎている
コール数・メール数だけを追う弊害
失敗する組織の多くに共通するのが、行動量偏重のKPI設計です。「1日80件架電」「週200件メール送信」といった数値目標だけが設定され、その質や成果については二の次になっているケースが少なくありません。
このような環境では、担当者は「とにかく数をこなす」ことに追われ、一件一件の顧客対応の質が低下します。結果として、見込み顧客からの信頼を得られず、商談化率も上がらないという悪循環に陥ります。
顧客視点が欠落したKPIがもたらす疲弊
行動量だけを追うKPIの最大の問題は、顧客視点が完全に欠落していることです。顧客にとって価値のないアプローチを大量に行っても、成果にはつながりません。むしろ、企業イメージを損ない、将来の可能性を閉ざしてしまうリスクすらあります。
担当者としても、「意味のない仕事をしている」という感覚に苛まれ、モチベーションが低下していきます。
SalesGrid式:成果と行動のバランス設計
SalesGridが提唱するKPI設計では、行動KPI、戦術KPI、戦略KPIの3階層で目標を設定します。
| KPI階層 | 指標例 | 目的 |
| 行動KPI | コール数、メール送信数、接続率 | 日々の活動量の確保 |
| 戦術KPI | 商談化率、BANT情報取得率、引継ぎ品質スコア | 活動の質と効率の測定 |
| 戦略KPI | 受注貢献額、LTV、パイプライン予測精度 | 事業成果への貢献度測定 |
この3階層を組み合わせることで、「量」と「質」と「成果」のバランスが取れた目標管理が可能になります。
共通点②:マーケティング・フィールドセールスとの連携不足
「板挟み」が生まれる構造的要因
インサイドセールスが「板挟み」で辛いと感じる最大の原因は、マーケティング部門とフィールドセールス部門との連携不足にあります。
マーケティングからは「せっかく獲得したリードを活かせていない」と言われ、フィールドセールスからは「引き継がれる商談の質が低い」と言われる。両方から責められる立場に置かれれば、ストレスが溜まるのは当然です。
部門間の対立がインサイドセールスを消耗させる
この問題の根本は、各部門が個別のKPIだけを追い、全体最適の視点が欠けていることにあります。マーケティングは「リード獲得数」、インサイドセールスは「商談設定数」、フィールドセールスは「受注金額」と、それぞれ異なる指標で評価されるため、部門間の協力よりも対立が生まれやすい構造になっています。
連携を機能させるための情報共有設計
この課題を解決するためには、部門横断的な情報共有の仕組みが不可欠です。
- 週次での連携ミーティング実施
- 共通のダッシュボードによるパイプライン可視化
- リード品質に関する双方向フィードバックの仕組み化
- 引継ぎ商談の成約率追跡と改善サイクル
これらの施策により、「敵対関係」ではなく「協力関係」を構築することが可能になります。
共通点③:スキル習得・キャリアパスが不明確
「この仕事を続けて成長できるのか」という不安
インサイドセールス担当者が抱える大きな悩みの一つが、キャリアに関する不安です。「この仕事を続けていて、自分は成長できるのか」「どこに向かっているのかわからない」という声は、失敗する組織で特によく聞かれます。
実際、インサイドセールスの平均在職期間は17.6ヶ月と、一般的な職種と比較して短い傾向にあります。これは、キャリアパスの不明確さが離職を促進している可能性を示唆しています。
キャリアアップの道筋が見えない組織の特徴
キャリアパスが不明確な組織には、以下のような特徴があります。
- スキルマップや評価基準が存在しない
- 昇進・昇格の条件が明文化されていない
- 成功事例(ロールモデル)がいない、または共有されていない
- 研修やスキル習得支援の機会が乏しい
年収・役職の将来像を示せているか
優秀な人材を惹きつけ、定着させるためには、具体的な年収レンジや役職の将来像を示すことが重要です。「インサイドセールスとして入社し、3年後にはリーダー、5年後にはマネージャーとして年収〇〇万円を目指せる」といった具体的なキャリアパスを提示できているかどうかが、組織の成熟度を測る一つの指標になります。
共通点④:属人化により業務が標準化されていない
トークスクリプト・対応フローの未整備
失敗する組織では、トークスクリプトや顧客対応フローが整備されておらず、個人の経験と勘に頼った営業活動が行われています。これでは、成果にばらつきが生じるだけでなく、新人の育成にも時間がかかります。
「先輩の背中を見て覚えろ」という姿勢では、ノウハウが蓄積されず、組織としての成長が停滞します。
「できる人」に依存する危険性
属人化が進んだ組織では、特定の「できる人」に依存する構造が生まれます。その人が退職すれば、チーム全体のパフォーマンスが大きく低下するリスクを抱えることになります。
また、「できる人」に業務が集中することで、その人自身のモチベーション低下や燃え尽きを招く可能性もあります。
科学的アプローチによる再現性の確保
SalesGridでは、トークスクリプトの7段階構造や顧客心理遷移モデルなど、科学的根拠に基づいた営業手法の体系化を推奨しています。これにより、個人の能力に依存しない、再現性のある営業活動が可能になります。
具体的には以下の要素を標準化することが重要です。
- 顧客セグメント別のトークスクリプト
- ヒアリング項目と質問の順序
- オブジェクションハンドリングの手法
- 商談化判定の基準
- フィールドセールスへの引継ぎフォーマット
📘 関連資料
トークスクリプトの設計方法について詳しく知りたい方は、シリーズ第6章「インサイドセールスのトークスクリプト作成ガイド|7段階構造と設計原則」をご覧ください。また、すぐに使えるBDR/SDR別トークスクリプトテンプレートも無料でダウンロードいただけます。
共通点⑤:達成感・やりがいを感じられない評価制度
顧客への貢献が可視化されない問題
インサイドセールスの仕事は、顧客の課題を深くヒアリングし、最適なソリューションにつなげていく、本来非常にやりがいのある仕事です。しかし、その貢献が可視化されていない組織では、担当者は達成感を感じることができません。
「自分がアプローチした顧客がどうなったのか」「自分の仕事が会社の成果にどう貢献しているのか」が見えない状況では、モチベーションを維持することは困難です。
フィールドセールスとの成果分断
特に問題なのが、インサイドセールスとフィールドセールスの成果が分断されているケースです。インサイドセールスが丁寧に育成し、確度の高い状態で引き継いだ商談が成約しても、その貢献がインサイドセールス側の評価に反映されなければ、不公平感が生まれます。
仕事の意味を実感できる仕組みづくり
達成感とやりがいを感じられる評価制度を構築するためには、以下の要素が必要です。
| 要素 | 具体的な施策 |
| 貢献の可視化 | 引継ぎ商談の成約率・金額のトラッキング |
| 適切な評価反映 | 商談化だけでなく、最終成約への貢献度も評価 |
| フィードバック | 成約・失注の理由をインサイドセールスにも共有 |
| 称賛の文化 | 成果を出したメンバーを社内で認知・称賛 |
「やめとけ」と言われない組織の作り方
ここまで失敗する組織の5つの共通点を見てきました。では、これらの課題を克服し、「やめとけ」と言われない組織を作るためには何が必要でしょうか。
導入前に整備すべき3つの基盤
インサイドセールス組織を立ち上げる前、または既存組織を改善する際には、以下の3つの基盤を整備することが重要です。
基盤①:役割定義と期待値の明確化
インサイドセールスが組織の中でどのような役割を担い、何を期待されているのかを明確に定義します。「リードを商談化する」という漠然とした定義ではなく、具体的な業務範囲、権限、責任を明文化します。
基盤②:部門間連携のルール設計
マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの連携ルールを事前に設計します。リードの定義、引継ぎ基準、情報共有の方法、ミーティングの頻度など、具体的なルールを決めておくことで、板挟みの問題を予防できます。
基盤③:評価・報酬制度の設計
行動量だけでなく、質と成果を適切に評価する制度を設計します。インセンティブの設計においては、短期的な数字だけでなく、中長期的な顧客関係構築への貢献も考慮することが重要です。
対面営業との違いを活かす業務設計
インサイドセールスだからこそできる顧客対応
対面でのフィールドセールスと比較して、インサイドセールスには独自の強みがあります。
- 地理的制約なく多くの顧客にアプローチできる
- 短時間で効率的に情報提供・収集ができる
- データを活用した分析的なアプローチが可能
- 顧客の都合に合わせた柔軟な対応ができる
これらの強みを活かした業務設計を行うことで、「対面営業の代替」ではなく「インサイドセールスならではの価値」を発揮できます。
コミュニケーションの質を高める仕組み
非対面でのコミュニケーションには、対面とは異なるスキルが求められます。声のトーン、話すスピード、質問の仕方など、電話やオンライン会議特有のコミュニケーション技術を習得するための研修や、録音分析によるフィードバックの仕組みを整備することが重要です。
非対面のメリットを最大化する方法
非対面であることをネガティブに捉えるのではなく、そのメリットを最大限に活用します。例えば、商談中にCRMやツールを参照しながら的確な提案ができる、顧客の発言をリアルタイムで記録できる、といった非対面ならではの利点を業務フローに組み込みます。
成長実感を生む育成・評価の仕組み
スキルマップによる成長の可視化
インサイドセールスに必要なスキルを体系化し、各メンバーの現在地と目指すべきレベルを可視化します。SalesGridでは、以下の5軸でスキルを評価することを推奨しています。
| スキル軸 | 評価のポイント |
| 信頼構築スキル | 顧客との関係構築、共感表現、専門性の発揮 |
| 課題発見スキル | ヒアリング力、深掘り質問、潜在ニーズの把握 |
| 価値提案スキル | 課題と解決策の接続、事例活用、ROI説明 |
| 差別化スキル | 競合比較、独自性訴求、証拠提示 |
| クロージングスキル | 次回アクション提案、決裁プロセス理解 |
段階的なキャリアパスの提示
入社から3年、5年、10年後のキャリアイメージを具体的に示します。インサイドセールスからフィールドセールス、マーケティング、カスタマーサクセス、マネジメントなど、複数のキャリアパスを提示することで、成長への意欲を高めます。
定期的なフィードバックサイクル
週次・月次での1on1ミーティングを通じて、継続的なフィードバックを提供します。KPIの進捗だけでなく、スキルの成長、課題、キャリアの方向性についても対話することで、メンバーの成長を支援します。
📘 関連資料
インサイドセールス組織の立ち上げから運用まで、体系的に学びたい方は「ゼロから始めるインサイドセールス完全ガイド」eBookをダウンロードしてください。KPI設計テンプレート、スキルマップ評価シートなど、すぐに使える実践ツールも付属しています。
インサイドセールスで成功する人・苦手な人の特徴
組織の問題だけでなく、個人の適性についても理解しておくことは重要です。ここでは、インサイドセールスで成功しやすい人と、苦手意識を持ちやすい人の特徴を解説します。
向いている人の5つの特徴
インサイドセールスで成果を出し、やりがいを感じている人には、以下のような共通点があります。
特徴①:データ分析・仮説検証が好き
インサイドセールスは、データに基づいて仮説を立て、検証し、改善していく仕事です。数字を見ることが苦ではなく、「なぜこの結果になったのか」を考えることが好きな人に向いています。
特徴②:コミュニケーションを工夫できる
対面ではなく電話やメールでのコミュニケーションが中心になるため、限られた情報の中で相手のニーズを把握し、適切に伝える工夫ができる人が成功しやすいです。コミュニケーション能力の高さというよりも、「どうすれば伝わるか」を試行錯誤できる姿勢が重要です。
特徴③:地道な積み重ねを楽しめる
一件一件のアプローチを丁寧に行い、小さな改善を積み重ねていくことで成果につながる仕事です。派手な一発逆転よりも、着実な積み重ねに喜びを感じられる人に適しています。
特徴④:チームプレーを重視する
インサイドセールスは、マーケティングとフィールドセールスをつなぐ役割です。個人の成果だけでなく、チーム全体、さらには他部門との連携を意識して動ける人が活躍します。
特徴⑤:改善提案を自発的に行える
「言われたことだけをやる」のではなく、「もっと良い方法があるのではないか」と考え、積極的に提案できる人が成長しやすい職種です。トークスクリプトの改善、新しいツールの活用提案など、主体的に動ける姿勢が求められます。
苦手意識を持ちやすい人の傾向
一方で、以下のような傾向がある人は、インサイドセールスに苦手意識を持ちやすい可能性があります。
傾向①:対面での関係構築を重視しすぎる
「やはり営業は対面でないと」という価値観が強い人は、非対面でのコミュニケーションに物足りなさを感じることがあります。ただし、これは「向いていない」というよりも「慣れ」の問題であることも多いです。
傾向②:短期的な達成感を求める
一件の成約で大きな達成感を得たいタイプの人は、インサイドセールスの「つなぎ役」としての立場にフラストレーションを感じることがあります。
傾向③:ルーティンワークへの耐性が低い
架電やメール送信など、一定のルーティンをこなす必要がある仕事でもあります。変化や刺激を常に求める人には、単調に感じられる時期があるかもしれません。
「苦手」を「強み」に変える環境の見極め方
上記の「苦手意識を持ちやすい傾向」があったとしても、適切な環境であれば克服し、むしろ強みに変えることも可能です。重要なのは、入社前・転職前に組織の状況を見極めることです。
面接・入社前に確認すべき5つのポイント
- KPI設計は行動量だけでなく、質・成果も含まれているか
- マーケティング・フィールドセールスとの連携体制はどうなっているか
- キャリアパスは明確に示されているか
- トークスクリプトや業務フローは標準化されているか
- 達成感を感じられる評価・称賛の仕組みはあるか
これらの質問に対して具体的に答えられる組織は、インサイドセールスの重要性を理解し、適切に設計している可能性が高いです。
インサイドセールスのキャリアパスと将来性
「やめとけ」と言われる理由の一つにキャリアへの不安がありました。ここでは、インサイドセールスの実際のキャリアパスと将来性について解説します。
インサイドセールスから広がる4つのキャリア
インサイドセールスでの経験は、さまざまなキャリアへの扉を開きます。
キャリア①:フィールドセールスへのステップアップ
顧客理解やヒアリングスキルを活かし、対面での商談を担当するフィールドセールスへステップアップするパターンです。インサイドセールスで培った「顧客の課題を深く理解する力」は、フィールドセールスでも大きな武器になります。
キャリア②:マーケティング部門への転身
顧客との接点で得た生の声やニーズをマーケティング施策に活かすため、マーケティング部門へ移るケースもあります。データ分析スキルや顧客理解が、マーケティング戦略の立案に役立ちます。
キャリア③:カスタマーサクセスへの展開
既存顧客の成功を支援するカスタマーサクセスへの転身も、インサイドセールス経験者に多いキャリアパスです。顧客との関係構築スキルや課題解決志向が活かせます。
キャリア④:マネージャー・組織設計者への道
インサイドセールスチームのマネージャーとして、メンバー育成や組織設計を担うキャリアです。さらに経験を積めば、営業企画や事業開発など、より広い範囲で組織に貢献することも可能です。
年収の実態と市場価値
インサイドセールスの年収は、経験年数、スキルレベル、所属企業によって大きく異なります。
| 経験年数 | 年収レンジ(目安) |
| 未経験〜1年 | 350万〜450万円 |
| 2〜3年 | 450万〜600万円 |
| 4〜5年(リーダー) | 550万〜750万円 |
| 5年以上(マネージャー) | 700万〜1,000万円以上 |
特にSaaS業界や外資系企業では、高いスキルを持つインサイドセールス人材の需要が高く、市場価値も上昇傾向にあります。
営業職としての成長機会
インサイドセールスは、従来の営業職では得られないスキルを習得できる機会でもあります。
対面営業では得られないスキル
- 大量の顧客データを分析・活用する力
- CRM/MAツールを使いこなすデジタルスキル
- 短時間で顧客のニーズを把握するヒアリング力
- プロセスを標準化・改善するPDCAスキル
AI時代に求められる営業人材像
AI技術の発展により、単純な架電やデータ入力は自動化されていきます。一方で、顧客の潜在的なニーズを引き出し、複雑な課題に対する解決策を提案する力は、AIでは代替できません。インサイドセールスでこうしたスキルを磨くことは、AI時代の営業人材としての市場価値を高めることにつながります。
まとめ:「やめとけ」を「やってよかった」に変えるために
5つの共通点を自組織でチェックする
本記事で解説した「失敗する組織の5つの共通点」を、自組織でチェックしてみてください。
セルフ診断チェックリスト
| チェック項目 | 該当 |
| ①KPIが行動量(架電数・メール数)に偏っていないか | □ |
| ②マーケティング・フィールドセールスとの連携体制は整っているか | □ |
| ③スキル習得・キャリアパスは明確に示されているか | □ |
| ④トークスクリプト・業務フローは標準化されているか | □ |
| ⑤達成感・やりがいを感じられる評価制度があるか | □ |
一つでも「該当」にチェックが付いた項目があれば、そこが改善の優先ポイントです。
優先的に改善すべきポイントの見極め方
すべてを同時に改善することは現実的ではありません。以下の基準で優先順位を付けることをおすすめします。
- 離職・退職者が言及する理由 → 最優先で対応
- メンバーのエンゲージメント調査で低スコアの項目 → 次に対応
- 商談化率など成果指標に影響している項目 → 並行して対応
インサイドセールス立ち上げ・改善の次のステップ
「インサイドセールスやめとけ」の真実は、職種そのものの問題ではなく、組織設計の問題であることをご理解いただけたでしょうか。
適切に設計された組織であれば、インサイドセールスは顧客に価値を提供し、営業組織全体の生産性を高め、担当者自身のキャリアアップにもつながる、やりがいのある仕事です。
本記事が、インサイドセールス組織の改善、または転職・就職先の見極めの参考になれば幸いです。
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よくあるご質問
質問:インサイドセールスは本当に「やめとけ」と言われるほど辛い仕事なのでしょうか?
回答:インサイドセールスが辛いかどうかは、所属する組織の設計に大きく左右されます。行動量だけを追うKPI設計、他部門との連携不足、キャリアパスの不明確さなど、組織設計に問題がある場合は確かに辛い仕事になります。しかし、適切に設計された組織では、顧客の課題解決に貢献し、データに基づいた戦略的なアプローチができる、やりがいのある仕事です。「やめとけ」という声の多くは、職種そのものではなく、組織の問題に起因しています。転職や就職を検討する際は、KPI設計、連携体制、キャリアパス、評価制度などを事前に確認することをおすすめします。
質問:インサイドセールスからどのようなキャリアパスがありますか?
回答:インサイドセールスからは、主に4つのキャリアパスが開けています。①フィールドセールスへのステップアップ:顧客理解やヒアリングスキルを活かして対面営業を担当、②マーケティング部門への転身:顧客接点で得た生の声やデータ分析スキルを活かしてマーケティング戦略に貢献、③カスタマーサクセスへの展開:顧客との関係構築スキルを活かして既存顧客の成功を支援、④マネージャー・組織設計者への道:チームマネジメントや営業組織全体の設計を担当。いずれのキャリアにおいても、インサイドセールスで培った「顧客の課題を深く理解する力」「データに基づいた分析力」「プロセス改善スキル」が武器になります。
質問:インサイドセールスの年収はどのくらいですか?
回答:インサイドセールスの年収は、経験年数、スキルレベル、所属企業、業界によって異なります。目安として、未経験〜1年で350万〜450万円、2〜3年で450万〜600万円、4〜5年のリーダークラスで550万〜750万円、5年以上のマネージャークラスで700万〜1,000万円以上となっています。特にSaaS業界や外資系企業では、優秀なインサイドセールス人材の需要が高く、市場価値も上昇傾向にあります。スキルを磨き、成果を出すことで、着実に年収アップを実現できる職種です。
質問:インサイドセールスに向いている人・向いていない人の特徴は何ですか?
回答:インサイドセールスに向いている人の特徴として、①データ分析や仮説検証が好き、②コミュニケーションを工夫できる、③地道な積み重ねを楽しめる、④チームプレーを重視する、⑤改善提案を自発的に行える、という5つが挙げられます。一方、対面での関係構築を重視しすぎる人、短期的な達成感を求める人、ルーティンワークへの耐性が低い人は、苦手意識を持ちやすい傾向があります。ただし、これらは「向いていない」というよりも、適切な環境や工夫次第で克服できる要素でもあります。重要なのは、自分の特性を理解した上で、それを活かせる組織を選ぶことです。
質問:「板挟み」で辛いと感じる場合、どうすればいいですか?
回答:インサイドセールスがマーケティングとフィールドセールスの「板挟み」で辛いと感じる場合、まずはその原因が組織設計にあることを認識してください。個人の努力だけで解決しようとするのではなく、組織的な改善を提案・推進することが重要です。具体的には、①部門間で共通のKPIを設定する、②週次での連携ミーティングを設置する、③リード品質や引継ぎ商談の成果について双方向でフィードバックする仕組みを作る、④共通のダッシュボードでパイプラインを可視化する、といった施策が有効です。もし組織が改善に動かない場合は、連携体制が整った組織への転職も選択肢として検討してみてください。

