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インサイドセールスのKPI設計完全ガイド|戦略・戦術・行動の3階層

インサイドセールスのKPI設計完全ガイド|戦略・戦術・行動の3階層
keisuke

インサイドセールス組織の成果を最大化するために、KPI設計は避けて通れない重要なテーマです。しかし、「どの指標を設定すればよいのかわからない」「KPIを設定しても現場で機能しない」といった課題を抱える組織は少なくありません。

本記事では、SalesGridが提唱する「戦略・戦術・行動の3階層KPI設計モデル」を軸に、インサイドセールスのKPI設計に必要な考え方から具体的な設定方法、運用改善のステップまでを徹底解説します。立ち上げ期・成長期・成熟期といった組織の段階に応じた目標設定方法も紹介しますので、自社の状況に合わせて活用してください。

目次
  1. インサイドセールスにおけるKPI設計が成果を左右する理由
  2. SalesGrid式「3階層KPI設計モデル」の全体像
  3. 【第1階層】戦略KPI|組織全体の成果を測る指標
  4. 【第2階層】戦術KPI|チーム・個人の成果を測る指標
  5. 【第3階層】行動KPI|日々の活動を測る指標
  6. 【段階別】立ち上げ期・成長期・成熟期のKPI設定方法
  7. KPI達成に向けた運用・改善の実践ステップ
  8. 【テンプレート付】すぐに使えるKPI設計シート
  9. まとめ:成果を最大化するKPI設計の要点
  10. よくあるご質問

インサイドセールスにおけるKPI設計が成果を左右する理由

インサイドセールスは、マーケティング部門が獲得したリードを育成し、フィールドセールスへ質の高い商談を引き継ぐという重要な役割を担っています。この橋渡し機能を効果的に発揮するためには、適切なKPI設計が不可欠です。

KPIが曖昧なままでは、メンバーが何を目標に活動すべきかわからず、組織全体の成果も不安定になります。逆に、科学的に設計されたKPIがあれば、チーム全体が同じ方向を向いて活動でき、成果の再現性が高まります。

KPIとKGIの違い|目標設計の基本を押さえる

KPI設計を始める前に、KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)の違いを明確に理解しておく必要があります。

項目KGIKPI
定義最終的なゴールを示す指標ゴール達成に向けた中間指標
役割組織全体の成功を測るプロセスの進捗を測る
年間受注金額1億円月間商談創出数50件
特徴結果指標先行指標・行動指標

インサイドセールスにおけるKGIは、多くの場合「受注貢献額」や「年間商談創出数」など、最終的な事業成果に直結する数値となります。一方、KPIはその達成に向けて日々の活動を管理するための指標です。

重要なのは、KGIから逆算してKPIを設計することです。最終目標が明確でなければ、どのKPIを追うべきかも定まりません。

なぜ多くの組織でKPI設計が機能しないのか

多くのインサイドセールス組織でKPI設計がうまく機能しない理由には、いくつかの共通パターンがあります。

よくある失敗パターン

  • 指標の乱立:追跡すべき数値が多すぎて、何が本当に重要かわからなくなる
  • 現場との乖離:経営層が設定したKPIが現場の実態と合っておらず、達成が困難
  • 測定困難な設定:データの取得手段がなく、そもそも計測できない指標を設定している
  • 変化への対応不足:市場環境や組織の成長段階に応じたKPIの見直しがされていない

これらの問題を解決するためには、属人的な経験や勘に頼るのではなく、データに基づいた科学的なアプローチでKPIを設計・運用することが求められます。

KPI設計がもたらす3つのメリット

適切にKPIを設計・運用することで、インサイドセールス組織は以下のメリットを得られます。

  1. 成果の再現性確保
    • KPIを通じて成功パターンを可視化することで、個人の属人的なスキルに依存しない、組織全体での再現性のある成果創出が可能になります。
  2. チーム全体の目標達成意識の向上
    • 明確な数値目標があることで、メンバー一人ひとりが「何をすれば目標を達成できるのか」を理解し、モチベーション高く業務に取り組めます。
  3. データに基づく継続的な改善サイクルの実現
    • KPIの達成状況を定期的にモニタリングすることで、ボトルネックの特定や改善施策の効果測定が可能になり、PDCAサイクルを効率的に回せます。

SalesGrid式「3階層KPI設計モデル」の全体像

インサイドセールスのKPI設計において、SalesGridが提唱するのは「戦略KPI・戦術KPI・行動KPI」の3階層で構造化するアプローチです。このモデルを活用することで、組織全体の目標から日々の活動まで一貫性のあるKPI体系を構築できます。

戦略KPI・戦術KPI・行動KPIの役割と関係性

3階層KPI設計モデルでは、それぞれの階層が明確な役割を持ち、相互に連携しています。

階層役割時間軸管理者
戦略KPI組織全体の事業成果を測る年間・四半期経営層・部門責任者
戦術KPIチーム・個人の成果を測る月次・週次マネージャー・リーダー
行動KPI日々の活動量・質を測る日次・週次メンバー・担当者

なぜ階層分けが効果的なのか

単一のKPIだけを追いかけると、短期的な数字のために本質的な活動が疎かになるリスクがあります。例えば、「商談数」だけを追いかけると、質の低い商談が増えてフィールドセールスの負担が増大するといった問題が起こりえます。

3階層に分けることで、最終的な成果(戦略KPI)を達成するために必要な中間成果(戦術KPI)と、それを実現するための日々の行動(行動KPI)が明確になり、バランスの取れた活動が可能になります。

【図解】3階層KPIの構造と設計フロー

KPI設計は、必ずKGI(最終目標)から逆算して行います。以下のフローで設計を進めてください。

第三章|KPI設計と目標管理の図解

KPI設計の5ステップ

  1. KGIの設定:事業戦略に基づいた最終目標を定義する
  2. 戦略KPIの設計:KGI達成に必要な組織レベルの成果指標を設定する
  3. 戦術KPIの設計:戦略KPI達成に必要なチーム・個人レベルの指標を設定する
  4. 行動KPIの設計:戦術KPI達成に必要な日々の活動指標を設定する
  5. 数値目標の設定:各KPIに具体的な目標値を設定する

この逆算プロセスにより、すべてのKPIが最終目標に向かって整合性を持った形で設計されます。

【第1階層】戦略KPI|組織全体の成果を測る指標

戦略KPIは、インサイドセールス組織が事業にどれだけ貢献しているかを測る最上位の指標です。経営層や営業部門全体で共有し、四半期・年間といった中長期的な視点で管理します。

受注貢献額・受注件数の設定方法

インサイドセールスの最終的な価値は、いかに売上・受注に貢献できたかで測られます。

受注貢献額の算出方法

受注貢献額 = インサイドセールス起点の成約案件数 × 平均受注単価

この指標を正確に測定するためには、CRM・SFAにおいて「リードソース」や「商談起点」を正しく記録する運用が必要です。マーケティング部門やフィールドセールスとの連携体制を構築し、データの信頼性を担保しましょう。

設定のポイント

  • 自社の営業プロセス全体における「インサイドセールスの貢献範囲」を明確に定義する
  • フィールドセールスとの認識を合わせ、貢献の帰属ルールを事前に決める
  • 受注までのリードタイムを考慮し、適切な評価期間を設定する

LTV(顧客生涯価値)とCAC(顧客獲得コスト)

成熟した組織では、単純な受注金額だけでなく、収益性の観点からKPIを評価することが重要です。

指標定義計算式
LTV1顧客がもたらす生涯価値平均月間売上 × 平均継続期間 × 粗利率
CAC1顧客獲得にかかるコスト(マーケ費用 + 営業費用)÷ 新規獲得顧客数
LTV/CAC投資効率を示す比率LTV ÷ CAC(3.0以上が健全)

インサイドセールス組織としては、「質の高いリード育成」や「効率的な商談創出」を通じて、LTV/CAC比率の向上に貢献することが求められます。

パイプライン予測精度の向上

戦略KPIとしてもう一つ重要なのが、パイプライン予測精度です。これは「インサイドセールスが創出した商談のうち、何件が予測通りに受注に至ったか」を測る指標です。

予測精度の計算式

パイプライン予測精度 = 実際の受注金額 ÷ 予測受注金額 × 100

この精度が高いほど、経営層は事業計画を立てやすくなります。インサイドセールスが商談化時点で正確な確度判定を行い、BANT情報を詳細に把握することが予測精度向上の鍵となります。

【第2階層】戦術KPI|チーム・個人の成果を測る指標

戦術KPIは、戦略KPIを達成するために必要なチーム・個人レベルの成果を測る指標です。月次・週次で管理し、マネージャーがメンバーの進捗状況を把握するために活用します。

商談創出数と商談化率の設計

商談創出は、インサイドセールスの最も重要なミッションの一つです。商談創出数と商談化率の両方を追跡することで、量と質のバランスを取ります。

商談化率の計算式

商談化率 = 商談化件数 ÷ 対応リード数 × 100

業界別の目安

業界・商材商談化率の目安
SaaS(低単価)8-15%
SaaS(高単価)3-8%
コンサルティング5-12%
製造業向けソリューション2-5%

ただし、これらはあくまで目安であり、自社の過去データをベンチマークとして改善していくことが重要です。

SQL(Sales Qualified Lead)数の定義と運用

SQL(Sales Qualified Lead)は、フィールドセールスに引き継ぐ「営業適格リード」を指します。SQLの定義が曖昧だと、インサイドセールスとフィールドセールスの間で認識のズレが生じ、連携がうまくいきません。

SQL定義の構成要素

SQLの定義には、一般的に以下の要素を含めます。

  • Budget(予算):導入予算が確保されている、または確保の見込みがある
  • Authority(決裁権):決裁者または決裁プロセスに影響力のある担当者である
  • Need(ニーズ):自社商材で解決できる課題が顕在化している
  • Timeline(時期):導入検討時期が明確である(例:3ヶ月以内)

これらのBANT情報を基準として、自社の商材特性に合わせたSQL定義を設計してください。

BANT情報取得率と引き継ぎ商談の成約率

商談の「量」だけでなく「質」を担保するために、以下の指標も戦術KPIとして設定します。

指標定義目標値の目安
BANT情報取得率商談化時にBANT4項目中3項目以上取得できた割合70%以上
引き継ぎ商談成約率ISが創出した商談の成約率業界平均+5%
商談品質スコアFSからのフィードバックに基づく品質評価4.0/5.0以上

特に「引き継ぎ商談の成約率」は、インサイドセールスの真の価値を測る指標です。商談数が多くても成約に繋がらなければ、フィールドセールスのリソースを浪費することになります。

【第3階層】行動KPI|日々の活動を測る指標

行動KPIは、戦術KPIを達成するために必要な日々の活動量・活動質を測る指標です。メンバー自身がセルフマネジメントに活用し、マネージャーは進捗状況の把握やコーチングに役立てます。

架電数・接続率・有効コンタクト数

アウトバウンド活動の基本となる指標です。量と質のバランスを見るために、複数の指標を組み合わせて管理します。

指標定義計算式
架電数発信した電話の総数日次/週次でカウント
接続率(コネクト率)架電のうち相手と会話できた割合接続数 ÷ 架電数 × 100
有効コンタクト数意思決定者または影響者と会話できた数日次/週次でカウント
通話時間平均通話時間総通話時間 ÷ 接続数

架電数の目標設定の考え方

架電数は単純に多ければよいわけではありません。商談化率から逆算して必要な架電数を算出します。

必要架電数 = 目標商談数 ÷ 商談化率 ÷ 接続率

例えば、月間20件の商談創出が目標で、商談化率10%、接続率25%の場合、必要架電数は800件(20 ÷ 0.1 ÷ 0.25)となります。

メール開封率・返信率・資料送付数

デジタルコミュニケーションの効果を測定する指標です。MA(マーケティングオートメーション)ツールと連携することで、自動的に計測できます。

指標定義目標値の目安
メール開封率送信メールのうち開封された割合25-35%
メール返信率送信メールに対する返信の割合3-8%
資料送付数送付した資料・提案書の件数週次で管理
資料閲覧率送付資料が閲覧された割合40-60%

開封率が低い場合は件名の改善、返信率が低い場合は本文内容やCTA(行動喚起)の見直しが必要です。

フォローアップ実行率と顧客接触頻度

ナーチャリング活動の進捗を測る指標として、フォローアップの実行状況を管理します。

フォローアップ実行率

フォローアップ実行率 = 期限内に実行したフォロー数 ÷ 予定フォロー数 × 100

見込み顧客との接触頻度を適切に維持することで、検討タイミングを逃さずキャッチできます。ただし、過度な接触は逆効果となるため、顧客のフェーズに応じた適切な頻度を設定することが重要です。

【段階別】立ち上げ期・成長期・成熟期のKPI設定方法

インサイドセールス組織の成長段階によって、重視すべきKPIは変化します。SalesGridでは、組織の成熟度に応じた3段階のKPI設計アプローチを推奨しています。

立ち上げ期(0-6ヶ月)|量的指標を重視したKPI設計

立ち上げ期は、まず活動の「型」を作ることが最優先です。効率性よりも活動量を重視し、データを蓄積することに注力します。

立ち上げ期に重視すべきKPI

カテゴリ指標優先度
行動KPI架電数・メール送信数★★★
行動KPI接続率・開封率★★☆
戦術KPI商談創出数★★☆
戦術KPI商談化率★☆☆

立ち上げ期のポイント

  • まずは活動量を確保し、十分なデータを蓄積する
  • 成功・失敗パターンを分析するための材料を集める
  • メンバーが「何をすればよいか」明確にわかる行動目標を設定する
  • 過度に高い目標は設定せず、達成体験を積み重ねる

成長期(6ヶ月-1年)|効率性指標を追加したKPI設計

成長期は、蓄積したデータを基に効率性の向上を図る段階です。量的指標に加えて、質を評価する指標を導入します。

成長期に重視すべきKPI

カテゴリ指標優先度
戦術KPI商談化率★★★
戦術KPISQL創出数★★★
戦術KPIBANT情報取得率★★☆
行動KPI有効コンタクト数★★☆
戦略KPI受注貢献件数★★☆

成長期のポイント

  • 個人別の強み・弱みを把握し、パーソナライズされた目標を設定する
  • 成功パターンを標準化し、チーム全体で共有する
  • フィールドセールスとの連携強化に取り組む
  • ボトルネックを特定し、改善施策を実行する

成熟期(1年以降)|収益性指標を重視したKPI設計

成熟期は、組織としての安定運用が実現した段階です。収益性や長期的な事業貢献を重視したKPIにシフトします。

成熟期に重視すべきKPI

カテゴリ指標優先度
戦略KPI受注貢献額★★★
戦略KPILTV/CAC比率★★★
戦略KPIパイプライン予測精度★★☆
戦術KPI引き継ぎ商談成約率★★★
戦術KPI商談品質スコア★★☆

成熟期のポイント

  • 単純な量ではなく、収益への貢献度で評価する
  • アップセル・クロスセルなど既存顧客からの機会創出も指標化する
  • 後進育成の成果も評価に組み込む
  • 市場環境の変化に応じてKPIを柔軟に見直す

KPI達成に向けた運用・改善の実践ステップ

KPIは設計して終わりではありません。継続的なモニタリングと改善によって、初めて成果に繋がります。ここでは、KPIを実際に運用し、改善していくための具体的なステップを解説します。

【ステップ1】現状分析とベンチマーク設定

まずは自社の現状を正確に把握し、比較対象となるベンチマークを設定します。

現状分析で確認すべき項目

  • 過去6ヶ月〜1年間の各指標の推移
  • 指標ごとのばらつき(標準偏差)
  • 個人別・チャネル別の傾向
  • 業界平均との比較

ベンチマーク設定の方法

比較対象活用方法
自社過去データ改善の基準として使用(前月比・前年比)
業界平均自社の立ち位置を把握
トップパフォーマー目指すべき理想像として設定

現実的かつ挑戦的な目標を設定するために、これらのベンチマークを参考にしてください。

【ステップ2】週次・月次レビューの進め方

KPIの達成状況を定期的に確認し、PDCAサイクルを回すためのレビュー体制を構築します。

週次レビューのアジェンダ例

  1. 先週のKPI達成状況確認(5分)
    • 各指標の実績と目標との差異を確認
  2. ハイライト・課題共有(10分)
    • うまくいったこと、困っていることを共有
  3. 要因分析(10分)
    • 目標未達の指標について原因を分析
  4. 今週のアクション決定(5分)
    • 具体的な改善アクションを設定

月次レビューのアジェンダ例

  1. 月間KPI総括(10分)
  2. トレンド分析(15分)
    • 3ヶ月推移、前年同月比較など
  3. 成功事例・失敗事例の深堀り(20分)
  4. 来月の目標設定・施策決定(15分)

【ステップ3】ボトルネック特定と改善アクション

目標未達時には、どの工程にボトルネックがあるかを特定し、適切な改善策を講じます。

ボトルネック特定のためのKPIツリー分析

受注貢献額(KGI)
 ├─ 商談創出数
 │  ├─ 架電数 × 接続率 × 商談化率
 │  └─ メール送信数 × 返信率 × 商談化率
 └─ 成約率
    ├─ 商談品質
    └─ フィールドセールスの対応

このツリー構造で各指標を分解することで、どの工程に問題があるかを特定できます。

ボトルネック別の改善アクション例

ボトルネック想定原因改善アクション
架電数が少ない時間配分の問題、リスト不足コールブロックの設定、リスト調達
接続率が低い架電時間帯の問題最適な時間帯の分析・変更
商談化率が低いトークスクリプトの問題スクリプト改善、ロープレ強化
成約率が低い商談品質の問題BANT情報取得の徹底、FS連携強化

【ステップ4】MA・CRM活用によるデータドリブン運用

KPIの効率的な管理には、MA(マーケティングオートメーション)やCRM/SFAの活用が不可欠です。

ツール活用のポイント

  • 自動データ収集:手入力を最小化し、正確なデータを蓄積する
  • ダッシュボード構築:リアルタイムでKPIを可視化する
  • アラート設定:目標との乖離が発生した際に通知を受ける
  • レポート自動化:定期レポートの作成工数を削減する

これにより、データ入力や集計作業の工数を削減し、分析・改善活動に時間を使えるようになります。

【テンプレート付】すぐに使えるKPI設計シート

ここまで解説した内容を実践に移すために、SalesGridでは「3階層KPI設計テンプレート」を提供しています。

3階層KPI設計テンプレートの使い方

テンプレートは以下の構成で設計されています。

  1. シート1:KGI・戦略KPI設定
    • 年間・四半期の最終目標を設定
    • 受注貢献額、LTV/CACなどの戦略指標を定義
  1. シート2:戦術KPI設定
    • 月次・週次のチーム目標を設定
    • 商談創出数、SQL数、商談化率などを定義
  2. シート3:行動KPI設定
    • 日次・週次の個人目標を設定
    • 架電数、メール数、接続率などを定義
  3. シート4:KPIダッシュボード
    • 各指標の実績を入力すると自動で達成率を計算
    • 目標との差異を可視化

段階別目標設定シートの活用方法

立ち上げ期・成長期・成熟期それぞれの段階に応じた推奨KPIと目標値の目安を記載したシートも含まれています。自社の状況に合わせてカスタマイズしてご活用ください。

📥 関連資料
テンプレートダウンロード 「3階層KPI設計テンプレート」は、SalesGridのeBook「ゼロから始めるインサイドセールス完全ガイド」の付録として提供しています。KPI設計だけでなく、組織設計からトークスクリプト、採用・育成まで網羅した完全版をぜひご活用ください。
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まとめ:成果を最大化するKPI設計の要点

本記事では、インサイドセールスのKPI設計について、SalesGrid式「3階層KPI設計モデル」を中心に解説しました。

3階層KPI設計モデル
  1. 3階層アプローチの意義
    • 戦略KPI(組織成果)→ 戦術KPI(チーム成果)→ 行動KPI(日々の活動)の3階層で設計することで、最終目標から日々の活動まで一貫性のあるKPI体系を構築できる
  2. 段階別設計の考え方
    • 立ち上げ期は「量」、成長期は「効率」、成熟期は「収益性」を重視し、組織の成長に合わせてKPIを進化させる
  3. 継続的な改善サイクルの重要性
    • KPIは設計して終わりではなく、週次・月次のレビューを通じてPDCAを回し、継続的に改善していくことが成果最大化の鍵

次のステップ:KPIを活かした組織運営へ

KPI設計は、インサイドセールス組織運営の「基盤」です。この基盤の上に、適切なツール活用、効果的なマネジメント、チームの育成が加わることで、真に成果を出し続ける組織が実現します。

本シリーズでは、インサイドセールスの立ち上げから運用、拡大までを体系的に解説しています。KPI設計の次のステップとして、以下の記事もぜひご覧ください。

  • 第4章:ツール・テクノロジー選定 ─ CRM/MA/AI活用
  • 第7章:マネジメントと人材育成 ─ 科学的チーム運営

📚 関連資料
シリーズ全体を把握したい方へ 「ゼロから始めるインサイドセールス完全ガイド」eBookでは、本シリーズ全10章の内容を1冊にまとめています。組織設計からKPI、トークスクリプト、採用・育成まで、インサイドセールスに必要な知見を体系的に学べます。
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よくあるご質問

質問:インサイドセールスのKPIはいくつ設定すべきですか?

回答:KPIの数は、管理可能な範囲に絞ることが重要です。目安として、戦略KPIは2-3個、戦術KPIは4-6個、行動KPIは5-8個程度に抑えることを推奨します。指標が多すぎると何が重要かわからなくなり、少なすぎると活動の全体像が把握できません。組織の成熟度や管理体制に応じて、本当に追跡すべき指標に絞り込んでください。

質問:商談化率の目標値はどのように設定すればよいですか?

回答:商談化率の目標値は、業界・商材・リードの質によって大きく異なります。まずは自社の過去3-6ヶ月のデータを分析し、現状の商談化率を把握してください。その上で、改善施策を踏まえて10-20%程度の向上を目標とするのが現実的です。業界平均(SaaS低単価で8-15%、高単価で3-8%程度)も参考にしつつ、自社の状況に合わせて設定しましょう。

質問:KPIとKGIの違いを社内でどう説明すればよいですか?

回答:「KGIは登山のゴール(山頂到達)、KPIはゴールまでの中間チェックポイント(何合目まで登ったか)」という比喩で説明するとわかりやすいです。KGIは「最終的に達成したい成果」であり、KPIは「その成果を達成するために進捗を測る指標」です。インサイドセールスで言えば、KGIが「年間受注貢献額1億円」、KPIが「月間商談創出数50件」「商談化率10%」といった形になります。

質問:立ち上げ期の組織でKPIが達成できない場合、どうすればよいですか?

回答:立ち上げ期のKPI未達は珍しいことではありません。まず、目標設定が現実的かどうかを見直してください。立ち上げ期は十分なデータがないため、目標値が適切でない可能性があります。また、未達の原因がプロセス(やり方)にあるのか、リソース(時間・人員)にあるのかを分析し、対策を講じましょう。この段階では「達成すること」よりも「データを蓄積し、改善サイクルを回すこと」を重視してください。

質問:フィールドセールスとKPIの認識がズレている場合、どう調整すればよいですか?

回答:インサイドセールスとフィールドセールスのKPI認識のズレは、多くの組織で発生する課題です。解決の鍵は「SQLの定義」と「商談品質の評価基準」を両部門で合意することです。定期的な連携ミーティングを設け、引き継ぎ商談へのフィードバックを仕組み化しましょう。また、「引き継ぎ商談の成約率」を共通KPIとして設定し、両部門が同じ目標に向かって協力する体制を構築することが効果的です。

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