インサイドセールスがうまくいかない時のチェックリスト20項目
「インサイドセールスを導入したものの、思うような成果が出ない」「商談化率が上がらず、フィールドセールスからの評価も厳しい」──こうした悩みを抱える企業は少なくありません。
実際、インサイドセールスを導入した企業の約6割が「期待した成果が出ていない」と回答しているというデータもあります。しかし、その原因は単一ではなく、目的設計、KPI、組織体制、人材育成、ツール活用など、複合的な要因が絡み合っているケースがほとんどです。
本記事では、SalesGridが蓄積してきた支援実績から抽出した「インサイドセールスの失敗パターン」を20項目のチェックリストとして体系化しました。このチェックリストを活用することで、自社の課題を客観的に特定し、優先順位をつけた改善アクションを実行できるようになります。
「なんとなくうまくいっていない」という曖昧な状況を、「どこに問題があり、何から手をつけるべきか」が明確になる具体的な指針へと変換していきましょう。
インサイドセールスがうまくいかない20の原因と解決策
ここからは、インサイドセールスの失敗要因を5つの領域に分類し、それぞれ4つの項目、計20項目のチェックリストとして解説します。各項目には「失敗パターン」と「解決策」を併記していますので、自社の状況と照らし合わせながら確認してください。
【領域1】目的・戦略設計の失敗(項目1〜4)
インサイドセールスがうまくいかない最も根本的な原因は、導入の目的や戦略が曖昧なまま運用を始めてしまうことにあります。「なぜインサイドセールスを導入するのか」という問いに、組織全体が明確に答えられる状態をつくることが成功の第一歩です。
チェック項目1:インサイドセールス導入の目的が曖昧になっていないか
失敗パターン
「競合他社がやっているから」「とりあえず立ち上げてみよう」という理由で導入し、明確なゴール設定がないまま運用を開始してしまうケースです。目的が曖昧だと、KPI設計もブレ、メンバーのモチベーション低下や部門間の認識齟齬を招きます。
解決策
The Model型組織におけるインサイドセールスの役割を明確に定義し、経営層との目的合意を取りましょう。「商談創出数の最大化」「リードの質向上」「営業プロセスの効率化」など、自社にとっての導入目的を言語化し、全社で共有することが重要です。
チェック項目2:テレアポ部隊との違いを組織全体が理解しているか
失敗パターン
社内で「インサイドセールス=テレアポ」という認識が定着し、単なるアポイント獲得部隊として扱われてしまうパターンです。この誤解は、インサイドセールス担当者のモチベーション低下だけでなく、本来の価値である顧客育成や情報蓄積が軽視される原因となります。
解決策
インサイドセールスの本質的な役割──見込み顧客の育成(ナーチャリング)、顧客情報の蓄積、商談品質の向上──を社内に啓蒙する活動が必要です。定期的な勉強会や、成功事例の共有を通じて、組織全体の理解を深めましょう。
チェック項目3:短期的な成果を求めすぎていないか
失敗パターン
立ち上げから3ヶ月程度で「成果が出ていない」と判断し、体制縮小や撤退を検討してしまうケースです。インサイドセールスは、リードの蓄積やノウハウの確立に一定の時間を要する業務です。
解決策
立ち上げ期(0-6ヶ月)、成長期(6ヶ月-1年)、成熟期(1年以降)の段階別に目標を設計しましょう。立ち上げ期は量的指標(コール数・接触数)を重視し、成長期で効率性指標を追加、成熟期で収益性指標へとシフトするという段階的なアプローチが効果的です。
チェック項目4:ターゲット顧客の定義が不明確ではないか
失敗パターン
「全リードに同じアプローチをする」「担当者の勘と経験に頼る」といった非効率な運用が行われているケースです。これではコール効率が低下し、商談化率も上がりません。
解決策
ICP(Ideal Customer Profile:理想的顧客プロファイル)を策定し、セグメント別のアプローチ戦略を設計しましょう。企業規模、業界、課題、購買タイミングなどの軸でターゲットを整理し、優先度の高い見込み顧客に集中することで、成果を最大化できます。
【領域2】KPI・評価設計の失敗(項目5〜8)
インサイドセールスの成果を正しく測定し、改善につなげるためには、適切なKPI設計が不可欠です。しかし多くの組織では、KPIが適切に設計されていない、あるいは評価軸が偏っていることで、メンバーの行動が歪んでしまっています。
チェック項目5:コール数だけをKPIにしていないか
失敗パターン
「1日○件のコール」という量的指標のみで評価することで、「やっつけコール」が横行し、商談の質が低下するパターンです。架電件数だけを追いかけても、受注にはつながりません。
解決策
行動KPI(コール数・接続率)、戦術KPI(商談化率・BANT情報取得率)、戦略KPI(受注貢献・LTV)の3階層でKPIを設計しましょう。量と質のバランスを取ることで、真に成果につながる活動を促進できます。
| KPI階層 | 指標例 | 測定頻度 |
| 行動KPI | コール数、接続率、メール送信数 | 日次 |
| 戦術KPI | 商談化率、BANT取得率、引継ぎ商談数 | 週次 |
| 戦略KPI | 受注貢献額、LTV、パイプライン創出額 | 月次 |
チェック項目6:商談化率の定義が曖昧ではないか
失敗パターン
インサイドセールスとフィールドセールスの間で「商談」の定義が異なり、「せっかく引き継いだのに商談にならなかった」「質の低い商談ばかり」という不満が発生するケースです。
解決策
BANT情報(Budget:予算、Authority:決裁権、Need:ニーズ、Timeline:導入時期)の取得基準を明文化し、商談品質スコアを導入しましょう。「何をもって商談とするか」を組織全体で合意することで、部門間の連携がスムーズになります。
チェック項目7:成果の評価軸が単一になっていないか
失敗パターン
商談数のみで評価し、その後の成約率や受注貢献を追跡していないケースです。これでは「数を稼ぐために質を犠牲にする」という行動を助長してしまいます。
解決策
引き継ぎ商談の成約率、受注率、LTVへの貢献度を追跡する仕組みを整備しましょう。インサイドセールス起点の商談がどれだけ受注につながったかを可視化することで、真の貢献度を評価できます。
チェック項目8:個人の成長を測る指標がないのではないか
失敗パターン
結果のみで評価し、プロセスや成長を見ていないため、メンバーの育成が進まず、スキルの属人化が起きるパターンです。
解決策
スキルマップを導入し、5軸(信頼構築・課題発見・価値提案・差別化・クロージング)でスキル評価を行いましょう。定期的なフィードバックと成長計画の策定により、チーム全体のレベルアップを図れます。
📘 関連テンプレート
SalesGridでは、インサイドセールスのKPI設計に活用できる「KPI設計テンプレート(段階別)」を提供しています。立ち上げ期・成長期・成熟期それぞれのフェーズに適したKPI設計の参考としてご活用ください。
【領域3】組織体制・役割分担の失敗(項目9〜12)
インサイドセールスは単独で成果を出せる部門ではありません。マーケティング、フィールドセールス、カスタマーサクセスとの連携が成功の鍵を握ります。組織体制や役割分担に問題があると、どれだけ個人が頑張っても成果には限界があります。
チェック項目9:マーケティング部門との連携が不足していないか
失敗パターン マーケティングからのリード供給タイミングや品質情報が共有されず、「いつ、どんなリードが来るのか分からない」状態で運用しているケースです。これでは効率的なアプローチ計画が立てられません。
解決策 週次でのマーケティング・インサイドセールス連携ミーティングを設置し、以下の情報を定期的に共有しましょう。
- 今後のリード供給スケジュール(セミナー、展示会、広告施策など)
- リードソース別のパフォーマンス分析
- マーケティング施策の訴求内容・ターゲット情報
- インサイドセールスからの顧客インサイトのフィードバック
チェック項目10:フィールドセールスとの引き継ぎが属人化していないか
失敗パターン
口頭やチャットでの曖昧な引き継ぎにより、情報の抜け漏れや「聞いてない」問題が頻発するケースです。これはフィールドセールスとの関係性悪化を招き、インサイドセールスの存在意義を問われる事態にもなりかねません。
解決策
引き継ぎメモテンプレートを標準化し、必須項目を明確にしましょう。また、商談品質スコアによる客観評価を導入することで、引き継ぎ品質の向上と、IS-FS間の認識ギャップを解消できます。
引き継ぎメモの必須項目例
- 顧客の基本情報(企業名、担当者、役職、連絡先)
- BANT情報の取得状況
- これまでの接触履歴とヒアリング内容
- 顧客が抱える課題と期待する解決策
- 次回商談で押さえるべきポイント
チェック項目11:インサイドセールスの役割範囲が不明確ではないか
失敗パターン
「どこまでやるか」が曖昧なため、業務の押し付け合いや、逆に重複対応が発生するケースです。これは組織内の混乱とメンバーのストレスを生みます。
解決策
リードステータス管理を明確化し、「どの段階で誰が対応するか」のSLA(サービスレベル合意)を締結しましょう。マーケティング→インサイドセールス→フィールドセールス→カスタマーサクセスの各接点における役割分担を文書化することが重要です。
チェック項目12:専任体制になっていない(兼務状態)のではないか
失敗パターン
「空いた時間にコールする」「他の業務と兼務」という片手間運用で、集中的な活動ができないケースです。これではスキルの蓄積もノウハウの確立も進みません。
解決策
最低でも専任1名からスタートし、成果に応じて段階的に体制を拡大する計画を立てましょう。兼務状態ではインサイドセールスの本質的な価値を発揮することは困難です。リソース確保が難しい場合は、外注(代行サービス)の活用も選択肢として検討してください。
【領域4】人材・マネジメントの失敗(項目13〜16)
インサイドセールスの成果は、最終的には「人」にかかっています。適切な人材の採用、育成、マネジメントができていなければ、いくら戦略やツールが整っていても成果は出ません。
チェック項目13:採用要件が明確になっていないのではないか
失敗パターン
「営業経験者なら誰でも」という曖昧な採用基準で、インサイドセールスに向いていない人材を採用してしまうケースです。対面営業とインサイドセールスでは、求められるスキルセットが異なります。
解決策
インサイドセールスに必要な適性を明確に定義しましょう。
- 傾聴力:電話越しに顧客のニーズを正確に把握する力
- 粘り強さ:断られても前向きに次のアプローチを続ける力
- データ活用力:CRM/SFAを使いこなし、データに基づいた行動ができる力
- 文章力:メールやチャットで的確に情報を伝える力
- 自己管理力:対面ではない環境でも集中して業務を遂行する力
チェック項目14:オンボーディング期間が不十分ではないか
失敗パターン
入社後すぐに実践投入し、「見よう見まね」で業務を覚えさせるケースです。これでは立ち上がりに時間がかかり、早期離職のリスクも高まります。
解決策
3ヶ月の段階的育成プログラムを設計し、メンター制度を導入しましょう。
| 期間 | 育成内容 |
| 1ヶ月目 | 商材理解、ツール操作、トークスクリプト習得、ロールプレイング |
| 2ヶ月目 | 実践(メンター同席)、録音分析、フィードバック、改善 |
| 3ヶ月目 | 独り立ち、目標設定、定期1on1による成長支援 |
チェック項目15:マネージャーがプレイングに追われていないか
失敗パターン
マネージャー自身がコール業務に追われ、メンバーの育成やチームマネジメントが後回しになるケースです。これではチーム全体の成長が停滞します。
解決策
マネジメント専任時間を明確に確保し、1on1ミーティングを制度化しましょう。週に最低でも各メンバーと30分の1on1を実施し、課題の共有、目標の確認、成長支援を行うことが重要です。
チェック項目16:ノウハウが個人に閉じていないか
失敗パターン
トップパフォーマーの手法が共有されず、「あの人だからできる」で終わってしまうケースです。これでは組織全体のレベルアップは望めません。
解決策
成功パターンを言語化し、トークスクリプトへ反映しましょう。また、ナレッジベースを構築し、FAQ、対応事例、効果的なフレーズなどを蓄積・共有する仕組みを整備することが重要です。
📘 関連テンプレート
人材育成に課題を感じている方には、SalesGridの「スキルマップ評価シート」が役立ちます。5軸スキル評価フレームワークに基づき、メンバーの強み・弱みを可視化し、個人別の成長プランを策定できます。
【領域5】ツール・オペレーションの失敗(項目17〜20)
CRM、SFA、MAなどのツールは、インサイドセールスの生産性を大きく左右します。しかし、ツールを導入しただけで活用できていない、あるいは運用が形骸化しているケースは非常に多く見られます。
チェック項目17:CRM/SFAへの入力が形骸化していないか
失敗パターン
「入力が面倒」「時間がない」という理由で、CRM/SFAへの情報入力が後回しにされ、データの蓄積が進まないケースです。これでは分析も改善もできません。
解決策
入力項目を最適化し、本当に必要な項目のみに厳選しましょう。また、入力工数を削減するための施策(テンプレート活用、音声入力、自動化)を検討することも効果的です。「入力しないとデータが見えない」という状態をつくり、入力のメリットを実感できる環境を整備しましょう。
チェック項目18:ツールを導入しただけで活用できていないのではないか
失敗パターン
高機能なCRM、SFA、MAを導入したものの、基本機能しか使っておらず、投資対効果が出ていないケースです。
解決策
ツール活用の目的を明確化し、段階的な機能活用ロードマップを策定しましょう。いきなり全機能を使いこなそうとするのではなく、「まずはこの機能を使いこなす」という優先順位をつけることが重要です。
チェック項目19:録音データを分析・改善に活用できていないのではないか
失敗パターン
コール録音は実施しているものの、聴き直しや分析を行っておらず、ただ保存しているだけの状態です。これでは貴重なデータが活用されていません。
解決策
週次での録音分析ミーティングを設置し、成功・失敗パターンの共有を行いましょう。また、スクリプト遵守率の測定を導入し、トークの質を定量的に評価・改善するサイクルを回すことが効果的です。
チェック項目20:改善サイクル(PDCA)が回っていないのではないか
失敗パターン
「やりっぱなし」で振り返りの習慣がなく、同じ失敗を繰り返しているケースです。これでは成長も改善も望めません。
解決策
週次・月次のレビューミーティングを制度化し、以下のサイクルを回しましょう。
- Plan(計画):週間・月間の目標設定
- Do(実行):計画に基づいた活動
- Check(確認):KPIの達成状況、ボトルネックの分析
- Action(改善):次週・次月への改善アクションの決定
定期的なフィードバックと改善の仕組みを整備することで、チーム全体が継続的に成長できる環境を構築できます。
チェックリスト活用法─自社の課題を特定し、改善優先度をつける
ここまで20項目のチェックリストを見てきましたが、すべてを一度に改善しようとすることは現実的ではありません。重要なのは、自社の課題を客観的に特定し、優先順位をつけて取り組むことです。
ステップ1:自己診断を行う
まず、20項目それぞれについて、自社の状況をチェックしてください。該当する項目には□にチェックを入れましょう。
課題の深刻度判定
- 該当項目 1〜5個:軽度の課題あり(部分的な改善で対応可能)
- 該当項目 6〜10個:中程度の課題あり(体系的な改善が必要)
- 該当項目 11〜15個:重度の課題あり(組織的な見直しが必要)
- 該当項目 16個以上:深刻な課題あり(抜本的な再設計を検討)
ステップ2:5領域別のスコアリングで最も弱い領域を特定する
各領域(4項目ずつ)で該当する項目数をカウントし、最も課題が多い領域を特定しましょう。
| 領域 | 該当項目数 | 優先度 |
| 領域1:目的・戦略設計 | /4 | |
| 領域2:KPI・評価設計 | /4 | |
| 領域3:組織体制・役割分担 | /4 | |
| 領域4:人材・マネジメント | /4 | |
| 領域5:ツール・オペレーション | /4 |
最も該当項目数が多い領域が、優先的に改善すべき領域です。
ステップ3:改善優先度マトリックスで着手順を決める
特定した課題の中から、どれから着手するかを決めるために、以下の2軸で優先度を判断しましょう。
縦軸:改善効果の大きさ
- 高:商談化率や受注率に直結する課題
- 低:あると便利だが、直接的な成果への影響は限定的
横軸:実装難易度
- 低:すぐに着手でき、短期間で改善可能
- 高:組織的な合意や、投資・時間が必要
優先順位の考え方
- 最優先:改善効果・高 × 実装難易度・低(すぐやる)
- 次点:改善効果・高 × 実装難易度・高(計画的に取り組む)
- 余裕があれば:改善効果・低 × 実装難易度・低(ついでにやる)
- 後回し:改善効果・低 × 実装難易度・高(優先度下げる)
ステップ4:まずは1〜2項目に絞って集中改善する
一度に多くの課題を解決しようとすると、どれも中途半端になりがちです。まずは最優先の1〜2項目に絞り、集中的に改善することをおすすめします。小さな成功体験を積み重ねることで、チーム全体の改善モチベーションも高まります。
📘 関連テンプレート
より詳細な診断を行いたい方には、SalesGridの「インサイドセールス立ち上げチェックリスト(50項目)」をご活用ください。本記事の20項目をさらに深掘りした、包括的な診断ツールです。
インサイドセールスの課題解決を加速するために
本記事でご紹介した20項目のチェックリストは、SalesGrid独自の「12カテゴリ業務体系」と連動しています。より詳細な診断・改善を行いたい場合は、体系的なフレームワークを活用することで、効率的に課題解決を進められます。
シリーズ関連記事のご案内
本記事は「インサイドセールス立ち上げ完全ガイド」シリーズの一部です。課題領域に応じて、以下の関連記事もご参照ください。
- KPI設計に課題がある場合 → 第3章「KPI設計と目標管理」
- 組織体制・連携に課題がある場合 → 第5章「組織設計と体制構築」
- トークスクリプトに課題がある場合 → 第6章「トークスクリプトと実践手法」
- 人材育成に課題がある場合 → 第7章「マネジメントと人材育成」
- モチベーション低下に悩んでいる場合 → 第9章「インサイドセールスが辛い・きついと感じる原因と対処法」
外部支援の活用も選択肢に
自社だけでの改善が難しい場合、外部の支援を活用することも有効な選択肢です。
- コンサルティング支援:課題診断から改善施策の策定・実行支援まで
- 研修・トレーニング:メンバーのスキルアップ、マネージャー育成
- ツール導入支援:CRM/SFA/MAの選定・導入・活用支援
- アウトソーシング:インサイドセールス業務の外注・代行
まとめ:「うまくいかない」を「成果が出る」に変える第一歩
インサイドセールスの失敗は、単一の原因ではなく、目的・戦略設計、KPI・評価設計、組織体制・役割分担、人材・マネジメント、ツール・オペレーションという複合的な要因によって引き起こされます。
本記事でご紹介した20項目のチェックリストを活用し、自社の課題を客観的に可視化することが改善の第一歩です。
- 一度にすべてを解決しようとしない:優先度の高い1〜2項目から着手
- 小さな成功体験を積み重ねる:改善効果を実感し、チームのモチベーションを維持
- 科学的アプローチを取り入れる:感覚ではなくデータに基づいた意思決定
- 継続的な改善サイクルを回す:PDCAを制度化し、組織の成長エンジンに
「なんとなくうまくいかない」という状況を、「ここに問題があり、こう改善する」という明確なアクションに変換すること。それが、成果を出せるインサイドセールス組織への変革の始まりです。
SalesGridは「営業を科学し、成果を最大化する」というコンセプトのもと、インサイドセールスの立ち上げから運用、拡大までを支援するコンテンツを提供しています。本シリーズの他記事や、各種テンプレート・チェックリストもぜひご活用ください。
よくあるご質問
質問:インサイドセールスがうまくいかない場合、どの課題から優先的に取り組むべきですか?
回答:まずは「目的・戦略設計」の領域を確認することをおすすめします。インサイドセールス導入の目的が曖昧なままだと、KPI設計も組織体制もブレてしまい、どんな施策を打っても効果が限定的になります。チェック項目1〜4を確認し、「なぜインサイドセールスを導入したのか」「テレアポとの違いは何か」を組織全体で共通認識として持てているかを確認してください。その上で、本記事の「改善優先度マトリックス」を活用し、「改善効果が高く、実装難易度が低い」項目から着手することで、短期間で成果を実感できます。
質問:フィールドセールスとの連携がうまくいかず、「商談の質が低い」と言われます。どう改善すればよいですか?
回答:この問題の多くは、「商談」の定義が曖昧なことに起因します。まずはBANT情報(Budget:予算、Authority:決裁権、Need:ニーズ、Timeline:導入時期)の取得基準を明文化し、「何をもって商談とするか」をインサイドセールスとフィールドセールスの間で合意しましょう。また、引き継ぎメモテンプレートを標準化し、必須項目を定義することで、情報の抜け漏れを防げます。さらに、商談品質スコアを導入し、引き継ぎ商談の成約率を追跡することで、客観的な評価と改善が可能になります。週次でのIS-FS連携ミーティングを設置し、相互フィードバックを行うことも効果的です。
質問:コール数は増えているのに商談化率が上がりません。何が原因でしょうか?
回答:コール数だけをKPIにしていることが原因の可能性が高いです。量的指標のみの評価は「やっつけコール」を招き、トークの質が低下します。行動KPI(コール数・接続率)、戦術KPI(商談化率・BANT取得率)、戦略KPI(受注貢献・LTV)の3階層でKPIを設計し直すことをおすすめします。また、コール録音を分析し、どの段階で離脱しているかを特定することも重要です。受付突破率が低いのか、担当者接続後のヒアリングで失敗しているのか、クロージングで断られているのか──落ちポイントを特定することで、具体的な改善アクションが見えてきます。
質問:インサイドセールスの立ち上げ期はどのくらいの期間で成果を判断すべきですか?
回答:立ち上げから3ヶ月程度で「成果が出ていない」と判断するのは早すぎます。インサイドセールスは、リードの蓄積、ノウハウの確立、メンバーのスキル習得に一定の時間を要する業務です。目安として、立ち上げ期(0-6ヶ月)は量的指標(コール数・接触数・リード蓄積)を重視し、成長期(6ヶ月-1年)で効率性指標(商談化率・品質)を追加、成熟期(1年以降)で収益性指標(受注貢献・LTV)にシフトするという段階的なアプローチが現実的です。最低でも6ヶ月〜1年は、目標を段階的に設定しながら継続することをおすすめします。
質問:インサイドセールスのノウハウが特定のメンバーに偏っています。どうすればチーム全体に共有できますか?
回答:トップパフォーマーのノウハウを組織の資産に変えるには、「言語化」と「仕組み化」が重要です。まず、コール録音を分析し、成功パターン(効果的なフレーズ、質問の順序、切り返しトークなど)を抽出しましょう。それをトークスクリプトに反映し、チーム全体で標準化します。また、ナレッジベースを構築し、FAQ、対応事例、成功・失敗事例を蓄積・共有する仕組みを整備することも効果的です。週次での録音分析ミーティングを設置し、成功・失敗パターンをチームで共有する習慣をつくることで、属人化を防ぎ、組織全体のレベルアップを図れます。

