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商談の進め方とは?事前準備からクロージングまで5段階の実践手順を解説

keisuke

「一生懸命説明しているのに、相手の反応が薄い」「商談の終わり際、何を合意して終われたのかあいまい」「クロージングのタイミングがわからず、『検討します』で終わってしまう」──商談で手応えが感じられないとき、多くの方は話し方やプレゼン資料の改善に目を向けがちです。

しかし実は、商談がうまくいかない根本原因の多くは「トークスキル」ではなく、各段階の進め方が設計されていないことにあります。

この記事では、商談を「事前準備→アイスブレイク→課題ヒアリング→提案→クロージング」の5段階に分け、各段階で何を目的に、どう進めればよいかを具体的に解説します。明日の商談からすぐに使えるチェックリストも用意していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次
  1. 商談がうまく進まない3つの構造的な原因
  2. 商談の全体像──5つの段階と各段階の目的
  3. 段階① 事前準備──商談の成否は準備の質で決まる
  4. 段階② アイスブレイク──「本音を話せる場」をつくる
  5. 段階③ 課題ヒアリング──商談の核心
  6. 段階④ 提案──課題に紐づく解決策の提示
  7. 段階⑤ クロージング──合意形成と次のアクション
  8. 商談後のフォロー──成約率を左右する最後の一歩
  9. 【実践ツール】商談の進め方チェックリスト
  10. まとめ──商談の質は「段階ごとの設計」で変わる
  11. よくあるご質問

商談がうまく進まない3つの構造的な原因

商談の改善に取り組むとき、「トーク力を磨こう」「提案資料をきれいにしよう」と考える方は多いかもしれません。ただ、うまくいかない商談には共通する構造的なパターンがあります。まずはその構造を理解しておくと、改善の方向性がぐっと明確になります。

① 事前準備の不足──「聞かれて困る」が起きる理由

顧客から「他社と比べてどう違うんですか?」「導入事例はありますか?」と聞かれたとき、的確に答えられない。こうした場面は、事前準備が「なんとなく」で止まっているサインです。

相手企業の業界動向、直近の課題感、意思決定者は誰か──こうした情報を事前に調べておくだけで、商談の流れは大きく変わります。準備が十分であれば、商談の冒頭から「この営業は自社のことを理解している」と感じてもらえるからです。

② 各段階の目的が曖昧なまま進めてしまう

商談をひとつの「会話の塊」として進めてしまうと、「ヒアリングのつもりが、いつの間にか製品説明になっていた」「提案したかったのに、相手の話を聞くだけで終わった」ということが起きます。

商談には段階があり、それぞれに異なる目的があります。この目的を意識せずに進めると、顧客にとっても営業にとっても「何のための時間だったのか」が曖昧になります。

③ クロージングに頼りすぎて前工程を軽視している

「最後の一押しが弱い」と感じて、クロージングのテクニックを学ぼうとする。その姿勢自体は大切ですが、クロージングがうまくいかない真の原因は、それ以前の段階にあることが少なくありません。

課題のヒアリングが浅ければ、提案は相手に刺さりません。提案が刺さっていなければ、どんなクロージングテクニックも空振りします。商談の成約率を上げるには、最終段階だけでなく、最初の段階から順に質を高めていく発想が必要です。

商談の全体像──5つの段階と各段階の目的

商談は大きく5つの段階で進みます。それぞれの段階には明確な目的があり、前の段階の出来が次の段階の質を左右します。

段階名称目的
事前準備商談の方向性を決め、相手に「わかっている営業だ」と感じてもらう土台を作る
アイスブレイク本音を話せる場の雰囲気を作り、商談の進め方を合意する
課題ヒアリング顧客の表面的な不満を構造的な課題として言語化し、解決の優先順位を合意する
提案ヒアリングで合意した課題に紐づく解決策を提示し、顧客に「自社に合っている」と感じてもらう
クロージング条件を合意し、次の具体的なアクション(契約手続き・社内検討等)を設定する

大切なのは、この5段階がバラバラのテクニックの寄せ集めではなく、顧客の検討が一歩ずつ前に進む流れとして設計されている点です。

商談プロセス全体の設計や管理の方法については、商談プロセスの設計手順と管理のポイントで詳しく解説しています。本記事では、各段階で「具体的にどう進めるか」の実践テクニックにフォーカスして説明していきます。

📘 商談プロセスの「全体設計」から学びたい方へ
商談の段階設計や移行基準の考え方を体系的に理解したい場合は、商談プロセスとは?営業サイクル全体像から設計手順・管理・可視化のポイントまで解説をあわせて参考にしてください。

段階① 事前準備──商談の成否は準備の質で決まる

事前準備は商談の「見えない土台」です。準備の質がそのまま、商談全体の質に直結します。ここでは、具体的に何をどこまで準備すればよいかを整理します。

顧客企業のリサーチ──何をどこまで調べるか

事前リサーチの目的は「相手のことをすべて知る」ことではなく、仮説を持って商談に臨むための材料を集めることです。

調べるべきポイントは大きく3つあります。

調べること確認先調べる理由
企業の事業概要・最近の動向企業サイト、プレスリリース、業界ニュース「自社のことを調べてきている」という信頼の第一歩
商談相手の役職・担当領域LinkedIn、企業サイト、名刺交換情報相手の関心事に合わせた話の組み立て
想定される課題仮説業界レポート、競合動向、過去の商談履歴(CRM)ヒアリングの質を高める準備

すべてを調べ尽くす必要はありませんが、最低限この3点を押さえておくだけで、商談冒頭の印象が大きく変わります。

商談ゴールの設定──「何を合意するか」を決めておく

商談に臨む前に、「この商談で何を合意して終わりたいか」を明確にしておくことが重要です。

たとえば、初回商談であれば「課題の優先順位について合意し、次回の提案日程を確定する」がゴールになるかもしれません。提案商談であれば「導入の方向性について合意を得て、見積もり提示の了承を得る」がゴールになります。

ゴールが曖昧なまま商談に入ると、「良い話はできたけれど、次に何をすればいいか決まっていない」という状態になりがちです。「最低限ここまで合意したい」というラインを決めておくことで、商談の中で自然に合意形成に向かえます。

質問リストの準備──仮説を持って臨む

事前リサーチで得た情報をもとに、商談で確認したい質問を3〜5個リストアップしておきましょう。

ポイントは、「何でも聞く」ではなく、仮説を持った質問を準備することです。「御社では○○の課題をお持ちではないかと思いますが、実際のところいかがですか?」のように、リサーチに基づく仮説を確認する形にすると、顧客は「よく調べてくれている」と感じ、深い話を引き出しやすくなります。

【テンプレート】事前準備チェックリスト

商談前に以下の10項目を確認してから臨んでみてください。

#チェック項目確認状況
1顧客企業の事業概要・直近のニュースを確認した
2商談相手の役職・担当領域を確認した
3想定される課題仮説を2〜3個用意した
4商談のゴール(何を合意して終わるか)を設定した
5仮説に基づく質問を3〜5個リストアップした
6提案資料・デモの準備が完了している
7過去の商談履歴・やりとりをCRMで確認した
8競合との違い・よく聞かれる質問への回答を用意した
9商談の進め方(アジェンダ)を簡潔に整理した
10オンラインの場合、通信環境・画面共有の動作確認をした

すべてを完璧にする必要はありませんが、最低限1〜5が埋まっていると、商談の質が大きく変わるはずです。

商談前の準備についてさらに詳しく知りたい方は、商談前の事前準備のコツもあわせて参考にしてください。


段階② アイスブレイク──「本音を話せる場」をつくる

商談の冒頭数分間は、その後の商談全体の雰囲気を左右する大切な時間です。アイスブレイクは「雑談で場を和ませる」だけのものではなく、顧客が本音を話しやすい場を作るための大切なステップです。

アイスブレイクの目的は雑談ではなく信頼の土台づくり

アイスブレイクの目的は「場を和ませること」だと思われがちですが、BtoB商談における本来の目的は「この人には本音を話しても大丈夫だ」と感じてもらう土台を作ることです。

雑談が長すぎると「この人、何をしに来たんだろう?」と思われますし、いきなり本題に入ると「売り込まれている」と感じさせてしまいます。大切なのは、適度なウォーミングアップの中で、相手が「話しやすい」と感じる雰囲気を自然に作ることです。

効果的なアイスブレイク3つのパターン

場面に応じて、以下の3パターンを使い分けると効果的です。

パターン1:事前リサーチに基づく話題

「御社の○○に関するプレスリリースを拝見しまして、とても興味深く感じました」のように、事前に調べた情報に触れるパターンです。相手は「自社のことを調べてくれている」と感じ、好印象につながります。

パターン2:業界共通の話題

「最近、○○業界ではAI活用が話題になっていますが、御社ではいかがですか?」のように、業界全体のトレンドを話題にするパターンです。自然に相手の状況を引き出せるメリットがあります。

パターン3:相手への感謝と確認

「本日はお忙しい中ありがとうございます。○○分ほどお時間をいただけると伺っていますが、問題ないでしょうか?」のように、感謝と商談の前提確認を兼ねるパターンです。シンプルですが、相手への配慮が伝わります。

いずれのパターンでも大切なのは、自分が話しすぎないことです。アイスブレイクの段階から「相手に話してもらう」意識を持つと、そのまま自然にヒアリングに移行できます。

商談の目的と進め方を最初に共有する

アイスブレイクの後、本題に入る前に商談の目的と進め方を簡潔に共有することをおすすめします。

「本日は、御社が抱えていらっしゃる○○の課題についてお話を伺い、もし方向性が合えば具体的なご提案の日程を決められればと考えています。まず15分ほど御社の状況をお聞かせいただき、その後こちらからのご提案という流れでよろしいでしょうか?」

このように伝えることで、顧客は「この商談で何が起きるか」が見え、安心して話に集中できます。また、商談のゴールを事前に共有しておくことで、クロージングに向けた合意形成がスムーズになります。

段階③ 課題ヒアリング──商談の核心

5段階の中で、商談の成否を最も大きく左右するのがこの課題ヒアリングです。ここでの質の高さが、提案の精度とクロージングの成功率に直結します。

なぜ「聞く」が「説明する」より成果につながるのか

商談というと「自社の製品やサービスをうまく説明すること」がゴールだと思われがちです。しかし、35,000件の商談を分析したラッカムの研究によると、成約率の高い商談では営業の説明量ではなく、顧客の発言量のほうが多いことがわかっています。

なぜでしょうか。理由はシンプルです。顧客は「営業から聞いた話」より、「自分で考えて出した結論」のほうを信頼するからです。課題を顧客自身の言葉で語ってもらい、解決の必要性を自分自身で感じてもらう──この状態を作れれば、提案は自然に「自分ごと」として受け止めてもらえます。

課題を引き出す質問の3ステップ

課題のヒアリングは、以下の3ステップで段階的に深掘りしていくと効果的です。

ステップ1:表面の不満を引き出す(現状確認)

「現在、○○の業務で困っていることはありますか?」

まずは顧客が感じている漠然とした不満を引き出します。この段階では「入力が面倒」「報告に時間がかかる」のような表面的な回答が返ってくるのが普通です。

ステップ2:原因を一緒に探る(深掘り)

「それが起きている原因は、どのあたりにあると感じていますか?」

表面の不満を「なぜ起きているのか」に掘り下げます。顧客と一緒に原因を探る姿勢が大切です。営業が「原因はこれです」と断定するのではなく、「こういうケースもありますが、御社ではいかがでしょう?」と仮説を提示しながら確認すると、顧客も考えを整理しやすくなります。

ステップ3:影響を考えてもらう(気づき)

「もしこの状態が半年続いた場合、他の業務にどのような影響がありそうですか?」

課題を放置した場合の影響を、顧客自身に考えてもらいます。このステップが最も重要です。顧客が「これは放置できない」と自ら感じたとき、提案に対する受容度が格段に上がります。

ヒアリングで陥りやすい3つの失敗パターン

失敗パターン典型的な症状改善のヒント
状況確認ばかりで深掘りに入れない「御社の従業員数は?」「使っているツールは?」が延々と続く状況質問は2〜3問に絞る。事前リサーチで確認できることは聞かない
顧客が答えに困る質問をしてしまう「御社の課題は何ですか?」のような漠然とした質問仮説を添えて質問する。「○○でお困りではありませんか?」の形で
解決策をすぐに提示してしまう顧客が課題を言い終わる前に「それなら当社の○○で解決できます」まずは顧客の話を最後まで聞く。課題の合意ができてから提案に入る

質問設計のフレームワークをさらに体系的に学びたい方は、SPIN営業とは?4つの質問で顧客の課題を引き出し、商談を前に進める方法をぜひ読んでみてください。課題ヒアリングの質問設計を、S(状況)→P(問題)→I(示唆)→N(必要性)の4段階で体系的に解説しています。

📘 課題ヒアリングの質問設計をさらに深めたい方へ
本記事で紹介した「3ステップの深掘り」をフレームワークとして体系化したのがSPIN営業です。SPIN営業の実践ガイドでは、4種類の質問の使い分けと商談プロセスとの接続を詳しく解説しています。

段階④ 提案──課題に紐づく解決策の提示

課題ヒアリングで顧客と課題の優先順位を合意できたら、いよいよ提案に入ります。ここで大切なのは、提案を「自社サービスの説明」ではなく、「顧客の課題への回答」として組み立てることです。

提案は「説明」ではなく「課題への回答」

提案の冒頭では、ヒアリングで合意した課題を改めて確認することから始めましょう。

「先ほどお伺いした中で、○○と○○の2つが御社にとっての優先課題だと理解しました。本日のご提案は、この2点に対する解決策としてお話しさせてください。」

このように始めることで、顧客は「自分の話を聞いてくれた上での提案だ」と感じます。逆に、ヒアリング内容と無関係に自社のサービス資料を最初から順に説明し始めると、「結局、売り込みだったのか」という印象を与えてしまいます。

提案資料を作成する際も、「自社サービスの機能紹介」ではなく、**「顧客の課題」→「解決アプローチ」→「期待される効果」→「次のステップ」**の順で構成すると、顧客にとってわかりやすく説得力のある提案になります。

決裁者の視点を意識した提案の組み立て方

商談の相手が担当者であっても、その先には決裁者がいます。担当者が社内で提案を通すためには、担当者自身が「なぜこの提案が必要か」を社内に説明できる状態になっている必要があります。

決裁者が重視するポイントは、現場担当者とは異なるケースがほとんどです。

視点担当者が重視すること決裁者が重視すること
課題日々の業務負荷の軽減事業全体へのインパクト
効果操作の簡便さ、すぐ使えること投資対効果(ROI)、リスク
時間軸導入後すぐに効果が出るか中長期的な成果

提案時に「担当者向けの説明」と「決裁者向けのポイント」の両方を含めておくと、担当者が社内で稟議を通しやすくなります。

大企業への提案では、複数の決裁者や部門をまたぐ合意形成が必要になることもあります。そうしたケースに対応する方法は、エンタープライズ営業とは?大企業攻略に必要な「組織を動かす設計力」を解説で詳しく解説していますので、大企業向けの営業に携わる方は参考にしてみてください。

オンライン商談での提案の工夫

オンラインでの商談が増えている中、提案の仕方にも工夫が必要です。

対面と比べてオンラインでは、相手の表情や反応が読みにくく、集中力も途切れやすいのが実情です。以下の3点を意識すると、オンラインでも効果的な提案ができます。

画面共有は「見せながら聞く」形で

資料を一方的に見せ続けるのではなく、1スライドごとに「ここまでで何かご質問はありますか?」と確認するリズムを作りましょう。相手に発言の機会を意識的に設けることで、対面に近い双方向のコミュニケーションが生まれます。

資料はシンプルに、文字は大きく

画面越しに細かい文字を読んでもらうのは厳しいため、1スライドにつき伝えたいメッセージは1つに絞りましょう。詳細な説明資料は、商談後に別途送付する形でも問題ありません。

商談中のリアクションを意識的に拾う

「今うなずいていただきましたが、○○の部分は特にご関心がおありですか?」のように、相手のリアクションを言語化して確認すると、オンラインでも対話感を保てます。

段階⑤ クロージング──合意形成と次のアクション

提案が終わったら、いよいよクロージングに入ります。クロージングというと「契約を取る最後の一押し」のようなイメージがあるかもしれませんが、BtoB商談におけるクロージングの本質は、顧客の意思決定を支援し、次の具体的なアクションを合意することです。

クロージングの本質は「顧客の意思決定を支援する」こと

強引に契約を迫っても、BtoBの商談ではうまくいきません。顧客には社内の検討プロセスがあり、担当者の合意だけでは進まないケースも多いからです。

クロージングで大切なのは、顧客が「次にやること」を明確にして商談を終えることです。「ご検討ください」で終わる商談と、「来週水曜日までに社内で確認いただき、木曜日に30分お電話で状況を伺えればと思います」で終わる商談では、その後の進み方がまったく異なります。

合意形成の進め方と次のアクション設定

クロージングは以下の流れで進めると、無理なく合意形成ができます。

1. 提案内容の合意確認

「本日のご提案について、方向性としてはいかがでしょうか?」と、まず提案内容自体への評価を確認します。

2. 懸念・疑問点の洗い出し

「ご検討いただくにあたって、気になる点やご不安な点はありますか?」と聞きます。ここで出てくる懸念を一つひとつ解消していくことが、クロージングの核心です。

3. 次のアクションの合意

「では次のステップとして、○○いただいた上で、○月○日に改めてお打ち合わせの時間をいただけますか?」と、具体的な日程と内容を提示します。

クロージングのテクニックや断り文句への対処法をさらに詳しく知りたい方は、営業クロージングとは?成約率を高める実践テクニックと手順を解説で体系的に解説していますので、あわせて読んでみてください。

商談後のフォロー──成約率を左右する最後の一歩

商談はクロージングで終わりではありません。商談後のフォローアップが、成約率を大きく左右します。

お礼メールの基本と送り方のポイント

商談後のお礼メールは、可能であれば当日中に送りましょう。遅くとも翌営業日の午前中には送ることを目安にしてください。

お礼メールに含めるべき内容は以下の3点です。

① 商談のお礼と感想

「本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました。○○のお話を伺えたことで、御社の課題感をより深く理解できました。」

② 商談で合意した内容のまとめ

「本日お話しした内容を以下に整理いたしました。」として、課題の認識、提案の方向性、合意事項を箇条書きで記載します。これにより、認識のズレを防ぎ、相手が社内共有する際の資料としても使ってもらえます。

③ 次のアクションの確認

「次のステップとして、○月○日(○)に○○についてお打ち合わせの時間をいただければ幸いです。」と、商談中に合意した次のアクションを改めて明記します。

商談記録・CRM更新の習慣化

商談で得た情報は、記録しなければ組織のナレッジになりません。商談後24時間以内にCRM/SFAを更新する習慣をつけましょう。

記録すべきポイントは以下のとおりです。

  • ヒアリングで判明した顧客の課題と優先順位
  • 提案に対する反応と残っている懸念
  • 合意した次のアクションとその期日
  • キーパーソン情報(決裁者は誰か、社内の力関係はどうか)

商談の記録は「自分のため」だけでなく、チーム全体の営業品質を底上げするための資産です。インサイドセールスとの連携においても、商談のフィードバックは不可欠です。ISとFSの連携について詳しく知りたい方は、IS-FS連携強化の進め方も参考にしてください。

【実践ツール】商談の進め方チェックリスト

ここまで解説した5段階の進め方を、実践で使えるツールにまとめました。

事前準備チェックリスト(再掲・印刷用)

#チェック項目
1顧客企業の事業概要・直近ニュースを確認した
2商談相手の役職・担当領域を確認した
3課題仮説を2〜3個用意した
4商談ゴール(合意したいこと)を設定した
5仮説に基づく質問を3〜5個準備した
6提案資料・デモの準備が完了している
7CRMで過去の商談履歴・やりとりを確認した
8競合との違い・想定質問への回答を用意した
9商談のアジェンダ(進め方)を簡潔に整理した
10(オンラインの場合)通信環境・画面共有の動作確認をした

商談振り返りシート

商談後に以下のシートを記入する習慣をつけると、回数を重ねるごとに商談の質が上がっていきます。

振り返り項目記入欄
商談日時・相手
商談ゴール(事前に設定したもの)
実際に合意できたこと
ヒアリングで判明した課題(優先順位順)
提案に対する相手の反応
残っている懸念・疑問点
次のアクションと期日
うまくいった点
次回改善したい点

継続的にこのシートを使い、上司やチームメンバーと振り返りを共有することで、商談スキルは着実に向上します。フィールドセールスのKPI設計や数値管理と組み合わせると、改善の方向性がより明確になります。詳しくはフィールドセールスのKPI設計を参考にしてください。


まとめ──商談の質は「段階ごとの設計」で変わる

商談がうまく進まないとき、トークスキルやプレゼンの上手さに目を向けがちですが、本当に見直すべきは各段階の進め方の設計です。

本記事のポイントを整理します。

  • 商談がうまくいかない3つの構造的原因は「事前準備の不足」「段階の目的が曖昧」「クロージング偏重」
  • 商談は5段階(事前準備→アイスブレイク→課題ヒアリング→提案→クロージング)で構成される
  • 事前準備では「仮説を持つ」ことが最も大切。顧客企業のリサーチ+商談ゴール設定+質問リストの3点セット
  • アイスブレイクの本質は「雑談」ではなく「本音を話せる場づくり」
  • 課題ヒアリングは「表面→原因→影響」の3ステップで深掘りする。「聞く」が「説明する」より成果につながる
  • 提案は「自社サービスの説明」ではなく「課題への回答」として組み立てる
  • クロージングの本質は「合意形成と次のアクション設定」。強引な一押しは逆効果

まずは、次の商談で事前準備チェックリストを使ってみることから始めてみてください。一つひとつの段階を丁寧に積み重ねていくことで、商談の手応えは確実に変わっていきます。

📘 商談力をさらに高めるためのステップ
本記事では各段階の実践テクニックを解説しましたが、営業力を体系的に高めるには、プロセス設計・質問スキル・クロージング力をバランスよく伸ばすことが大切です。以下の記事もあわせて読んでみてください。

次に読むとさらに理解が深まる記事

よくあるご質問

質問:商談と打ち合わせの違いは何ですか?

回答:打ち合わせは情報共有や進捗確認が主な目的で、参加者間の合意形成を必ずしも伴いません。一方、商談は「顧客の課題に対する解決策を提案し、合意を得て次のステップに進める」ことが目的です。商談には必ず「何かを合意して終わる」というゴール設定が求められます。

質問:初めての商談で最低限やるべきことは何ですか?

回答:最低限やるべきことは3つです。①顧客企業の基本情報と想定課題を調べる(事前準備)、②商談のゴールを決めておく(何を合意したいか)、③仮説に基づく質問を3つ用意する。完璧な準備は不要ですが、この3点を押さえるだけで商談の質は大きく変わります。

質問:オンライン商談で気をつけるポイントは何ですか?

回答:対面と比べて相手の反応が見えにくいため、「意識的に相手に発言の機会を作る」ことが最も大切です。1スライドごとに確認を挟む、リアクションを言語化して拾う、画面共有資料はシンプルに──この3点を心がけてみてください。また、通信環境の事前確認も忘れずに行いましょう。

質問:商談の適切な時間はどれくらいですか?

回答:初回商談であれば45〜60分が目安です。ただし大切なのは時間の長さではなく、各段階を丁寧に進められるかどうかです。短すぎるとヒアリングが浅くなり、長すぎると集中力が落ちます。事前にアジェンダを共有し、「本日は○○分の予定です」と最初に確認しておくと、時間配分がスムーズになります。

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BtoB営業メディア
「進化する営業が事業成長を彩る」をテーマに掲げるSalesGrid編集部は、BtoB営業の未来を切り拓くメディアを運営。AIやチームビルディングを含む幅広いトピックで、営業の可能性を多元的に探求し、成果を追求するすべての営業パーソンを支援します。
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