インサイドセールスとフィールドセールスの連携強化術|引き継ぎ品質を高める方法
インサイドセールスとフィールドセールスの分業体制を導入したものの、「引き継いだ商談がなかなか成約に至らない」「フィールドセールスから『情報が足りない』と言われる」といった課題を抱えていないでしょうか。
The Model型の営業組織において、両者の連携品質は受注率を左右する最重要ファクターです。しかし多くの企業では、この連携が属人的な運用に留まり、組織全体の成果を最大化できていません。
本記事では、SalesGridが提唱する科学的アプローチに基づき、インサイドセールスとフィールドセールスの連携を強化し、引き継ぎ品質を高める具体的な方法を解説します。情報共有の仕組みづくりから、ツール活用、組織設計まで、現場で即実践できるフレームワークをお伝えします。
なぜインサイドセールスとフィールドセールスの連携が重要なのか
分業体制における連携の本質的な意味
BtoB営業における分業体制は、単なる業務の切り分けではありません。マーケティングが獲得したリードを、インサイドセールスが育成・選別し、フィールドセールスがクロージングするという一連のプロセスにおいて、各部門が有機的に連携することで初めて成果が最大化されます。
特にインサイドセールスとフィールドセールスの間に位置する「トスアップ」は、営業活動全体の成否を決める重要な接点です。この引き継ぎの品質が低ければ、いくら優秀なフィールドセールスでも受注に苦戦します。逆に、質の高い引き継ぎができれば、商談の成約率は飛躍的に向上します。
連携の本質は、顧客にとってシームレスな体験を提供しながら、組織として効率的に受注を獲得することにあります。顧客は「インサイドセールスに話したこと」と「フィールドセールスに話すこと」を別々のものとは考えていません。両者が一体となって顧客の課題解決に向き合う姿勢が、信頼関係の構築と成約につながるのです。
連携不足が引き起こす3つの機会損失
連携が不十分な組織では、以下の3つの機会損失が発生しています。
- 商談の質低下による受注率の悪化
- インサイドセールスが把握した顧客情報がフィールドセールスに正確に伝わらないと、商談の初期段階で顧客に同じ質問を繰り返すことになります。「また同じことを聞かれるのか」という顧客の不満は、信頼関係を損ない、競合への流出リスクを高めます。
- リードの取りこぼしと機会損失
- 引き継ぎ基準が曖昧だと、まだ育成が必要なリードを早期にトスアップしてしまったり、逆に確度の高いリードを長く抱え込んでしまったりします。タイミングを逃した商談は、顧客の購買意欲が低下し、成約の可能性が大きく下がります。
- 組織間の対立と生産性の低下
- 「インサイドセールスが渡すリードの質が悪い」「フィールドセールスがちゃんとフォローしてくれない」といった相互不信は、組織全体の生産性を著しく低下させます。本来協力すべき両者が対立構造に陥ると、改善のためのコミュニケーションも取りにくくなり、悪循環が続きます。
連携強化がもたらす成果向上のメカニズム
連携を強化することで、以下のような成果向上のメカニズムが働きます。
| 連携強化の施策 | 直接的な効果 | 最終的な成果 |
| 引き継ぎ情報の標準化 | 商談準備時間の短縮 | 商談数の増加 |
| 顧客情報の正確な共有 | 初回商談の質向上 | 成約率の向上 |
| フィードバックの仕組み化 | インサイドセールスの精度向上 | リード品質の改善 |
| 共通KPIの設定 | 目標の一致と協力体制 | 組織全体の売上向上 |
SalesGridの分析によると、連携が強化された組織では、引き継ぎ後の商談成約率が平均で20〜30%向上するというデータがあります。これは、単なる効率化ではなく、営業活動の質そのものが向上することを意味しています。
インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担を再定義する
それぞれの役割と強みの違いを理解する
効果的な連携を実現するためには、まずインサイドセールスとフィールドセールスそれぞれの役割と強みの違いを正確に理解する必要があります。
インサイドセールスの役割と強み
- 電話やメール、オンラインを活用した非対面での顧客接点創出
- 大量のリードに対する効率的なアプローチと選別
- 顧客の課題やニーズの初期ヒアリング
- 見込み顧客の育成(リードナーチャリング)
- 商談機会の創出とフィールドセールスへのトスアップ
インサイドセールスの強みは、短時間で多くの顧客にアプローチできる効率性と、継続的な接点維持による関係構築にあります。
フィールドセールスの役割と強み
- 対面での深い信頼関係構築
- 複雑な商材や高額案件の提案・クロージング
- 顧客の意思決定者への直接アプローチ
- 契約交渉と受注獲得
- 既存顧客へのアップセル・クロスセル
フィールドセールスの強みは、対面でのコミュニケーションによる説得力と、複雑な案件をまとめ上げるスキルにあります。
両者の違いを理解したうえで、それぞれの強みを最大限に活かす役割分担を設計することが重要です。
リードの成熟度に応じた役割分担の設計
リードの成熟度(購買検討の進捗度合い)に応じて、インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担を明確に設計しましょう。
リード成熟度別の役割分担モデル
| リードの状態 | 成熟度 | 主担当 | 実施すべきアクション |
| 認知段階 | 低 | マーケティング | コンテンツ提供、認知獲得 |
| 興味・関心段階 | 低〜中 | インサイドセールス | 情報提供、課題ヒアリング |
| 比較・検討段階 | 中 | インサイドセールス | ニーズ深掘り、BANT確認 |
| 購買意欲醸成段階 | 中〜高 | インサイドセールス→フィールドセールス | トスアップ判断、商談設定 |
| 意思決定段階 | 高 | フィールドセールス | 提案、交渉、クロージング |
この役割分担を組織内で明確化し、共通認識として持つことで、「どのタイミングで引き継ぐべきか」という判断基準が明確になります。
マーケティングを含めた営業プロセス全体の最適化
インサイドセールスとフィールドセールスの連携を考える際、マーケティング部門との連携も視野に入れる必要があります。The Model型の組織では、マーケティング→インサイドセールス→フィールドセールス→カスタマーサクセスという一連のフローが存在し、各部門間の連携品質が全体の成果を左右します。
営業プロセス全体の最適化ポイント
- マーケティングとインサイドセールスの連携
- リード獲得時の情報(流入経路、閲覧コンテンツ、フォーム入力情報)の確実な引き継ぎ
- MAツールを活用したリードスコアリングの共有
- インサイドセールスとフィールドセールスの連携
- 本記事で詳しく解説する引き継ぎ品質の向上
- 商談後のフィードバックによる精度向上
- フィールドセールスとカスタマーサクセスの連携
- 契約時の顧客期待値と合意事項の共有
- オンボーディングに必要な情報の引き継ぎ
全体最適の視点を持つことで、部門間の連携がより戦略的なものになります。
引き継ぎ品質を高める「トスアップ」の科学
トスアップとは何か|定義と重要性
トスアップとは、インサイドセールスが育成・選別したリードをフィールドセールスに引き継ぐプロセスを指します。バスケットボールでシュートの直前にボールを上げる動作に例えられ、フィールドセールスが確実に「シュートを決められる」状態でパスを出すことが求められます。
トスアップの品質は、以下の2つの要素で決まります。
- タイミングの適切さ
- 早すぎる引き継ぎ:顧客の検討度合いが低く、商談が空振りに終わる
- 遅すぎる引き継ぎ:顧客の購買意欲がピークを過ぎ、競合に先を越される
- 情報の充実度
- 顧客の課題、ニーズ、検討状況が正確に伝わっているか
- フィールドセールスが商談準備に必要な情報が揃っているか
この2つの要素を科学的に管理することで、トスアップの品質を組織として高めることができます。
引き継ぎ品質を決める5つの情報要素
フィールドセールスが効果的な商談を行うために、インサイドセールスが収集・共有すべき情報要素は以下の5つです。
- 顧客の基本情報と背景
- 企業規模、業界、事業内容
- 担当者の役職、決裁権限
- 過去の接点履歴(問い合わせ内容、参加セミナーなど)
- 課題とニーズ
- 顧客が抱える具体的な課題
- 課題の発生背景と影響範囲
- 理想とする解決後の状態
- BANT情報
- Budget(予算):確保状況、概算金額
- Authority(決裁権):意思決定者、決裁プロセス
- Need(必要性):課題の緊急度、優先度
- Timeline(導入時期):検討スケジュール、希望導入時期
- 競合・検討状況
- 比較検討中の競合製品・サービス
- 自社に対する印象、懸念点
- 他社との違いに関する質問や関心事項
- 次回アクションの合意事項
- 商談の目的と期待される内容
- 顧客側の参加者(人数、役職)
- 特に説明を求められているポイント
これらの情報が揃っていれば、フィールドセールスは初回商談から顧客の期待に応える提案が可能になります。
SalesGrid式「引き継ぎ品質スコア」の設計方法
SalesGridでは、引き継ぎ品質を定量的に評価する「引き継ぎ品質スコア」の導入を推奨しています。このスコアを活用することで、属人的だった引き継ぎ品質を可視化し、継続的な改善が可能になります。
引き継ぎ品質スコアの算出方法
| 評価項目 | 配点 | 評価基準 |
| 基本情報の完備度 | 10点 | 必須項目の入力率 |
| 課題・ニーズの明確さ | 25点 | 具体性、深掘り度合い |
| BANT情報の取得度 | 30点 | 4要素の確認状況 |
| 競合・検討状況の把握 | 20点 | 情報の詳細度 |
| 次回アクション合意の明確さ | 15点 | 具体性、顧客同意の有無 |
| 合計 | 100点 |
スコア別の品質判定
- 80点以上:高品質(そのままトスアップ可能)
- 60〜79点:標準(追加ヒアリングを推奨)
- 60点未満:要改善(トスアップ前に情報補完が必要)
このスコアを導入することで、「何が足りないのか」が明確になり、インサイドセールスのスキル向上にもつながります。
📘 関連資料
SalesGridでは、引き継ぎ品質スコアとフィールドセールス引き継ぎメモについて詳しくは「インサイドセールス立ち上げ完全ガイド」eBookをダウンロードしてご確認ください。

連携を強化する情報共有の仕組みづくり
効率的な情報共有フローの構築ステップ
情報共有の仕組みを構築する際は、以下のステップで進めることを推奨します。
まず、現在どのような情報がどのタイミングで共有されているかを整理します。インサイドセールスとフィールドセールス双方にヒアリングを行い、情報の過不足や伝達漏れが発生しているポイントを特定しましょう。
前述の「5つの情報要素」をベースに、自社の商材特性や営業プロセスに合わせて共有項目をカスタマイズします。情報項目は、必須項目と任意項目に分け、優先度を明確にしておきます。
- トスアップ時に必ず共有する情報
- 商談前日までに追加で共有する情報
- 商談後にフィードバックとして共有する情報
それぞれのタイミングで何を共有するかをルール化し、チーム全体で運用します。
CRMやSFAを活用した情報共有の仕組みを構築します。ツールの設定だけでなく、入力ルールや運用ルールも合わせて整備することが重要です。
共有すべき顧客情報と記録のフォーマット
効率的な情報共有のためには、記録フォーマットの標準化が欠かせません。以下は、トスアップ時に使用する引き継ぎメモのフォーマット例です。
引き継ぎメモ 記載項目
【顧客基本情報】
・企業名:
・担当者名/役職:
・連絡先(電話・メール):
・企業規模(従業員数・売上):
【接点履歴】
・初回接点日:
・接点回数:
・主な接点内容(概要):
【課題・ニーズ】
・顧客が抱える課題:
・課題の背景・原因:
・解決後に期待する状態:
【BANT情報】
・Budget(予算):
・Authority(決裁者・プロセス):
・Need(緊急度・優先度):
・Timeline(検討・導入スケジュール):
【競合・検討状況】
・比較検討中の競合:
・自社への印象・懸念点:
【商談設定内容】
・商談日時:
・商談形式(訪問・オンライン):
・顧客側参加者:
・商談で期待される内容:
【特記事項・注意点】
・
このフォーマットを組織で統一することで、誰が引き継ぎを行っても一定品質の情報共有が可能になります。
MAツール・CRM活用による情報連携の効率化
手作業での情報共有には限界があります。MAツールやCRM・SFAを活用することで、情報連携を効率化し、リアルタイムでの情報共有が可能になります。
MAツール活用のポイント
- リードの行動履歴(Webサイト閲覧、メール開封、資料ダウンロード)を自動で蓄積
- リードスコアリングにより、トスアップ判断の客観的な基準を設定
- シナリオ機能を活用した自動フォローアップ
CRM・SFA活用のポイント
- 顧客情報と商談情報の一元管理
- 商談ステージの可視化とパイプライン管理
- 活動履歴の自動記録による情報の抜け漏れ防止
- レポート機能による連携状況のモニタリング
ツール連携の設計ポイント
| 連携項目 | MAツール | CRM・SFA |
| リード情報 | 獲得・蓄積 | 引き継ぎ・管理 |
| 行動履歴 | 自動取得 | 参照・活用 |
| 商談情報 | – | 記録・管理 |
| 成果データ | 分析 | 入力・集計 |
ツールを導入するだけでなく、運用ルールを明確にし、入力の徹底と活用の習慣化を図ることが成功の鍵です。
連携を成功させる組織設計と運用のコツ
連携ミーティングの設計と運用方法
インサイドセールスとフィールドセールスの連携を強化するためには、定期的なコミュニケーションの場を設けることが重要です。以下に、効果的な連携ミーティングの設計方法を紹介します。
日次ミーティング(15分)
目的:当日のトスアップ案件の確認と情報補足
- 新規トスアップ案件の概要共有
- フィールドセールスからの質問対応
- 当日の商談予定と準備状況確認
週次ミーティング(30〜60分)
目的:週間の振り返りと連携品質の改善
- トスアップ案件の進捗確認
- 成約・失注案件のフィードバック共有
- 連携における課題の洗い出しと改善策検討
月次ミーティング(60〜90分)
目的:連携施策の効果検証と戦略的な改善
- 連携KPIの振り返り(引き継ぎ品質スコア、商談化率、成約率など)
- 成功事例・失敗事例の分析と学びの共有
- 翌月に向けた改善施策の立案
これらのミーティングを形骸化させないためには、アジェンダを事前に共有し、議事録を残して次回に活かすことが重要です。
共通KPIの導入で目標を一致させる
インサイドセールスとフィールドセールスが対立せず、協力して成果を上げるためには、共通のKPIを設定することが効果的です。
部門別KPIと共通KPIの設計例
| KPIの種類 | インサイドセールス | フィールドセールス | 共通KPI |
| 活動指標 | コール数、有効接触数 | 商談数、訪問数 | – |
| 成果指標 | トスアップ数 | 受注数、受注金額 | – |
| 連携指標 | – | – | 商談化率、成約率、引き継ぎ品質スコア |
共通KPIを設定することで、「インサイドセールスが質の低いリードを渡す」「フィールドセールスがフォローしない」といった相互批判ではなく、「一緒に成約率を上げるにはどうすればいいか」という建設的な議論ができるようになります。
共通KPI設定のポイント
- 両部門が影響を与えられる指標を選ぶ
- 目標値は両部門で合意して設定する
- 定期的に進捗を共有し、協力して改善に取り組む
フィードバックループで継続的に改善する
連携品質を継続的に向上させるためには、フィードバックループの仕組みが不可欠です。
フィードバックループの構築
インサイドセールス → トスアップ → フィールドセールス
↑ ↓
←── フィードバック ←──────────┘
フィードバックで共有すべき内容
- 商談結果のフィードバック
- 商談の進捗状況(次回アクション、停滞理由など)
- 成約・失注の結果と要因分析
- 引き継ぎ品質のフィードバック
- 情報の過不足に関する具体的な指摘
- 商談で役立った情報、不足していた情報
- 改善提案のフィードバック
- より効果的なヒアリング項目の提案
- トスアップ基準の見直し提案
このフィードバックを仕組みとして定着させることで、インサイドセールスのスキル向上と、組織全体の連携品質向上が実現します。
連携強化の導入ステップ|明日から始める実践ガイド
Step1:現状の連携課題を可視化する
連携強化の第一歩は、現状の課題を正確に把握することです。以下のチェックリストを活用して、自社の連携状況を診断してみましょう。
連携状況診断チェックリスト
□ トスアップの基準が明文化されている
□ 引き継ぎ時に共有する情報項目が定義されている
□ 引き継ぎメモのフォーマットが統一されている
□ CRM・SFAに顧客情報が正確に記録されている
□ 定期的な連携ミーティングが実施されている
□ 商談結果のフィードバックが行われている
□ 共通のKPIが設定されている
□ 連携に関する課題を話し合う場がある
チェックが半分以下の場合は、基盤づくりから始める必要があります。まずは現状の課題を両部門で共有し、改善の優先順位を決めましょう。
Step2:引き継ぎ基準とフローを標準化する
課題が明確になったら、引き継ぎ基準とフローの標準化に取り組みます。
引き継ぎ基準の設定例
以下の条件をすべて満たした場合にトスアップ可能とする:
- BANT情報のうち、最低3項目以上が確認できている
- 顧客の課題とニーズが具体的に把握できている
- 商談への参加意思と日程調整の合意が取れている
- 引き継ぎ品質スコアが60点以上である
標準フローの設計
- インサイドセールスがヒアリングを完了
- 引き継ぎメモを作成し、品質スコアを自己評価
- マネージャーまたはリーダーが品質チェック
- 基準を満たした案件をCRMに登録し、フィールドセールスに通知
- フィールドセールスが内容を確認し、不明点があれば質問
- 商談実施後、結果とフィードバックをCRMに記録
このフローを文書化し、チーム全員が同じ運用ができるようにします。
Step3:ツール導入と運用定着のポイント
連携を効率化するツールを導入する際は、以下のポイントに注意しましょう。
ツール導入のステップ
- 要件定義:自社の連携フローに必要な機能を整理する
- ツール選定:複数のツールを比較検討し、自社に最適なものを選ぶ
- 初期設定:入力項目、画面レイアウト、権限設定などを整備する
- 運用ルール策定:いつ、誰が、何を入力するかを明確にする
- トレーニング:全メンバーに操作方法と運用ルールを教育する
- 運用開始と定着支援:運用状況をモニタリングし、定着を促進する
運用定着のコツ
- 入力項目は必要最小限に絞り、入力負荷を軽減する
- 入力率や活用状況を定期的にチェックし、フィードバックする
- 活用のメリットを実感できる成功体験を早期に作る
- マネージャーが率先して活用し、模範を示す
ツールは導入がゴールではありません。運用が定着し、成果につながって初めて価値を発揮します。
📘 関連資料
「インサイドセールス立ち上げ完全ガイド」eBookでは、連携強化に必要なチェックリストやテンプレートを多数収録しています。立ち上げから運用定着まで体系的に学びたい方は、ぜひダウンロードしてご活用ください。

まとめ:連携強化で営業活動の成果を最大化する
インサイドセールスとフィールドセールスの連携は、BtoB営業組織の成果を左右する最重要テーマです。本記事で解説した内容を振り返りましょう。
- 連携の重要性:分業体制において、両者の連携品質が受注率を大きく左右する
- 役割分担の再定義:それぞれの強みを理解し、リードの成熟度に応じた役割分担を設計する
- トスアップの科学:引き継ぎ品質を決める5つの情報要素を押さえ、品質スコアで定量管理する
- 情報共有の仕組み:フォーマットの標準化とツール活用で、効率的な情報連携を実現する
- 組織設計と運用:連携ミーティング、共通KPI、フィードバックループで継続的に改善する
- 導入ステップ:現状把握→基準・フロー標準化→ツール導入と定着という段階で進める
連携強化は、一朝一夕で実現するものではありません。しかし、本記事で紹介したフレームワークとステップを着実に実行することで、確実に成果は上がります。
SalesGridは「営業を科学し、成果を最大化する」というコンセプトのもと、インサイドセールス組織の立ち上げから運用、拡大までを支援するコンテンツを提供しています。本シリーズ「インサイドセールス立ち上げ完全ガイド」の他の記事もぜひご覧いただき、貴社の営業組織強化にお役立てください。

よくあるご質問
質問:インサイドセールスとフィールドセールスの連携がうまくいかない主な原因は何ですか?
回答:連携がうまくいかない主な原因は、大きく3つあります。1つ目は「引き継ぎ基準の曖昧さ」です。何をもってトスアップとするかが明確でないと、早すぎる引き継ぎや遅すぎる引き継ぎが発生します。2つ目は「情報共有の不足」です。フィールドセールスが商談に必要な情報が十分に伝わっていないと、初回商談の質が低下します。3つ目は「フィードバックの欠如」です。商談結果がインサイドセールスに戻らないと、改善のサイクルが回りません。これらの原因を解消するには、本記事で紹介した引き継ぎ基準の明文化、情報共有フォーマットの標準化、フィードバックループの構築が効果的です。
質問:トスアップのタイミングはどのように判断すればよいですか?
回答:トスアップのタイミングは、顧客のBANT情報(Budget:予算、Authority:決裁権、Need:必要性、Timeline:導入時期)の確認状況を基準にすることを推奨します。具体的には、4つの要素のうち最低3つ以上が確認できており、かつ顧客が商談への参加意思を示している場合にトスアップ可能と判断します。ただし、商材の複雑さや単価によって基準は異なりますので、自社の状況に合わせてカスタマイズしてください。また、引き継ぎ品質スコアを導入し、60点以上を基準とするなど、定量的な判断基準を設けることも有効です。
質問:CRMやSFAを導入していない場合、連携強化はできますか?
回答:CRMやSFAがなくても、連携強化は可能です。まずはExcelやGoogleスプレッドシートを活用して、引き継ぎメモのフォーマットを標準化し、情報を一元管理することから始めましょう。共有ドライブにファイルを保存し、両部門がアクセスできる状態にするだけでも、情報共有の質は向上します。ただし、組織が拡大するにつれて、手作業での管理には限界が出てきます。将来的にはCRM・SFAの導入を検討し、情報の蓄積と活用を効率化することをお勧めします。本シリーズ第4章「ツール・テクノロジー選定」も参考にしてください。
質問:インサイドセールスとフィールドセールスの対立を解消するにはどうすればよいですか?
回答:対立の多くは、「相手が悪い」という相互批判から生まれます。これを解消するには、共通のKPIを設定することが効果的です。例えば、「引き継ぎ後の商談成約率」を両部門の共通目標にすると、「一緒に成約率を上げるにはどうするか」という建設的な議論ができるようになります。また、定期的な連携ミーティングで双方の課題や要望を共有し、改善策を一緒に考える場を設けることも重要です。お互いの業務内容や苦労を理解することで、信頼関係が構築され、協力体制が生まれます。
質問:連携強化の効果はどのくらいで現れますか?
回答:連携強化の効果が現れるまでの期間は、取り組む施策や組織の状況によって異なりますが、一般的には3〜6ヶ月程度で変化が見え始めます。最初の1〜2ヶ月は、引き継ぎ基準の策定やフォーマットの整備など、基盤づくりに時間がかかります。3ヶ月目頃から運用が定着し始め、引き継ぎ品質の向上や情報共有のスムーズ化が実感できるようになります。そして6ヶ月目頃には、商談化率や成約率の改善といった定量的な成果が見えてくることが多いです。継続的な改善を続けることで、効果はさらに大きくなりますので、短期的な成果にとらわれず、中長期的な視点で取り組むことが重要です。

